「田舎の一軒家」購入前に押さえたい修繕の知見 新築時の欠陥事故9割超が「雨漏り」という驚き

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さて、では先ほどのチェックポイントで気になるところがあった人はどうすればよいのでしょう。基本は、屋根・外壁の専門工事会社の方に、塗り替えや張り替えといったリフォームを頼むことになります。

見た目をきれいにするのはもちろんですが、塗装の塗膜(塗料が乾いて固まって膜になったもの)には、雨や紫外線から建物を守るための重要な役割があります。だからこそ塗り替えるのですが、ここで注意が必要なのが今の新築木材住宅の大半を占める「サイディング」という外壁材を使っている方です。

「外壁を塗り替えて3年もたっていないのに、塗料がはがれてきてしまった。やむをえず、またすぐに塗り替えたら、今度は2年ももたなかった。もう、どうすればいいのかわからない……」そんなお悩みの相談を受けることがよくあるのです。

そこでまず疑われるのが、サイディングの基材が水分を多く吸ってしまっているということです。このような状態になると、いくら塗り替えても無駄です。外壁を新しいものに張り替える必要が出てきます。塗膜がひび割れていたり、膨らんで表面がボコボコになっていたりしたら張り替えの可能性があるので注意してください。

「大幅値引き」を提案してくる工事会社に注意

また、築20年以上経っている場合、家の大切な部分に水分が染み込まないようにするための透湿防水紙が劣化している可能性があるので、張り替えを考えたほうがいいかもしれません。

状況がわからずに、「塗ってくださいと言ったから塗りました」で済ませる工事会社も少なからずいます。事前にきちんと工事会社と話をしておくことが、無駄なリフォームをして損をしないためには必要です。

工事会社選びも非常に重要です。まず「今、キャンペーン中で、すぐに契約をしたら、大幅に値引きしますよ」など、大幅な値引きをする会社は要注意です。当然手がける作業の分だけ、コストがかかります。

逆に、「相見積もりをとってみて、他社のほうが安かったら値引いてくれませんか?」と聞いたときに即答しなかったり、できないと断ったりする業者は、むしろ信用できる業者である可能性が高いです。

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依頼前に「今、施工中のところを見せていただけないですか?」と尋ねてみるのもよいでしょう。工事の善し悪しまでは判断できないかもしれませんが、いい仕事をしているかどうかは意外と現場に表れているものです。あちこちにゴミが散らかっていないか、職人がきびきびと動いているかなどをチェックし、できれば別の日に、もう一度訪ねてみてください。

お客さまの訪れるとわかっている日だけ、しっかりと振る舞っている可能性があるからです。ちょっとした抜き打ち検査。多少の時間はかかることになりますが、後悔しないためには念には念を入れましょう。いずれにしても工事会社選びは急いで決断せず、納得するまでじっくりと慎重に行うようにしましょう。

山下 隆盛 建築士、家のアンチエイジング技師

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やました たかもり / Takamori Yamashita

外壁サイディング・屋根の施工、リフォームを主に手掛けるヤマテック株式会社代表取締役社長。一般社団法人木造住宅塗装リフォーム協会(国交省認定団体)理事。NPO法人外装エコロジーシステム理事長。建築士。「家を長持ちさせることが、お客さまの老後の幸せのためにも、社会的にも意義がある」と考え、家のアンチエイジング技師として、家のアンチエイジングのためのメンテナンスリフォームを提唱し続けている。

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