コロナ禍で改めて問われる「家族のあり方」 結婚相手に学歴や収入を求めて幸せになれるか

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コロナ禍において、家族のあり方や幸せな結婚とはどういうことか、もう一度考え直す時期に来ているかもしれない(写真:kouta/PIXTA) 
昨年から続くコロナ禍で、人に会うことが制限される生活が続いている。他人には会えなくても、一つ屋根の下には家族がいる。コロナは、家族の存在を見直すきっかけになったのではないだろうか? 一方で一人暮らしの独身者は、1人でいることに孤独を感じ、結婚について改めて真剣に考えるようになったのではないだろうか?
仲人として、婚活現場に関わる筆者が、婚活者に焦点を当てて、苦労や成功体験をリアルな声と共にお届けしていく連載。今回は、「家族を築く幸せとそのあり方」について、ある会員の体験と共に考えていきたい。

末期がんの父を見送るために帰省

会員の聡子(仮名、39歳)は、昨年の11月から、出身地である地方都市に帰省をしていた。末期がんである父が、「いよいよ危ない」と医師に宣告をされ、父の人生最期となる時間を一緒に過ごしたいと思ったからだ。コロナ禍で世の中がリモートワークを奨励する風潮もあり、聡子が帰省して働くことを、会社も了解してくれた。

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仮交際をしている男性もいたのだが、事情を話すと、「LINEやリモートで連絡を取り合っていきましょう」と、優しく彼女を送り出してくれた。

年が明けて、聡子から連絡が入った。

「帰省して2週間は県外から来た人は病院に入れず、見舞いに行けませんでした。やっと見舞えるようになり、そこから1週間で父を見送りました。父は、私が行くのを待っていてくれたのかもしれません。

現在お付き合いしている吉田さん(仮名、41歳)とは、こちらに来てからもLINEでのやりとりは続いていました。お人柄は優しい方なのですが、考え方や価値観に違ったものを感じ、将来的な結婚は難しいかなと思いました。ここで交際終了とさせてください。

そして、2月はいったん休会して、気持ちを整理し、3月からまた婚活を再開したいと思います」

このLINEを読んで、聡子が私の相談室に入会面談にやってきたときのことを思い出した。

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