セブン&アイHDとイオンを分析する 2大小売りチェーンは、どこで差がついたのか?

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一方、イオンは総合スーパーマーケット事業を柱としています。スーパーマーケット事業は、コンビニエンスストアより利益を稼ぐことができません。売上高営業利益率を計算しますと、わずか1.2%しかないのです。利益率の高い金融事業や大型ショッピングモール開発事業も拡大させていますが、全体の営業利益に対し、それぞれ23.8%、25.3%に留まっています。イオンが収益力でセブン&アイに勝てない理由は、ここにあるのです。

セブン銀行とイオン銀行では、収益構造が微妙に違う

金融事業についても、2社の間では内容が異なります。セブン銀行は手数料ビジネスである一方、イオン銀行はローンやクレジットカードによって利益を出す典型的な金融業となっているのです。

イオンの貸借対照表(14~15ページ)のうち、資産の部を見ますと、「銀行業における貸出金」が前期より2320億円も増えて9009億円となっています。自動車ローンや住宅リフォームローンを取り扱う会社を子会社化したことなどによるものです。

もう一つ、大幅に増えているのは「受取手形及び売掛金」です。前期より3761億円増の8948億円が計上されています。商品を購入したものの代金を受け取っていない額が「受取手形及び売掛金」です。この増加も、金融事業と関連しているのかもしれません。

このように膨らんだ資産は、どこでファイナンスしているのでしょうか。負債の部を見ますと、「銀行業における預金」が1兆1553億円から1兆7013億円まで増えています。つまり、利用者の預金から5460億円を調達して、「銀行業における貸出金」と「受取手形及び売掛金」という形で運用しているのです。

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