売上高は大幅に増えたが、営業減益となった三井造船
三井造船の平成26年3月期(2013年4月~2014年3月)の決算から見ていきましょう。
まずは損益計算書(11ページ)を開きますと、売上高は前の期より大幅に伸び、16.1%増の6700億円となりました。
ところが、売上原価が売上高以上に増えてしまったため、売上総利益は4.3%減少して1382億円。さらに販売費及び一般管理費(販管費)が微増し、営業利益は16.8%減の199億円となりました。売上総利益が減っていますから、営業利益の落ち込みは売上原価の増加が大きいと言えます。
原因は何でしょうか。決算短信の説明によると、受注高は前の期より67.1%も増えたのですが、船の需給が緩んで価格が下落し、採算が悪化したということです。
船の運賃は世界経済に影響されて大きく変動しますが、実は船の値段も、新造船、中古船を含めて、市況商品のように比較的大きな値動きがあるのです。このほか、物価上昇による原材料費の高騰や、景気回復に伴う人件費の上昇も、利益を押し下げる要因になったと思われます。


















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