このように、イオン銀行とセブン銀行では、同じ金融事業でもビジネスモデルが異なっているのです。ちなみに、セブン&アイの「銀行業における預金」は4030億円ですから、銀行業の規模自体はイオンのほうが4倍以上大きいことが分かります。ところが、2社の同事業の利益率を比較しますと、セブン&アイは28.3%、イオンは14.3%ですから、ここでも収益力に差がひらいているのです。
今後は、消費税増税の影響と海外展開がポイント
イオンの安全性を調べてみましょう。自己資本比率は24.7%ですから、まずまずの水準です。ただ、一つ気になるのは、イオンは借入金が多いという点です。負債の部のうち、長期借入金が8143億円計上されています。一方、セブン&アイは3324億円ですから、財務内容という点でも、イオンよりセブン&アイのほうが良いといえます。
違う見方をしますと、イオンの方が積極的に投資をしているともいえます。2社の有形固定資産を比べますと、イオンは2兆1828億円、セブン&アイは1兆7099億円ですから、イオンの方がはるかに多いのです。イオンモールなどの開発事業で、大きな投資が必要なのでしょう。
今後の2社の業績は、どのように推移するのでしょうか。見極めのポイントは2つあります。ひとつは、消費税増税の影響です。特に百貨店事業は、駆け込み需要とその反動減があります。2月決算なので駆け込み需要と反動減の両方の影響が今期には表れるはずです。主力のコンビニ事業も、節約志向が高まるでしょうから、この調子で伸びていくかどうかは分かりません。しばらくは、先行きが読みにくい状況が続くのではないでしょうか。
もうひとつのポイントは、海外での業績をどれだけ伸ばせるかという点です。特にイオンは積極的に海外展開をしていますから、今後はそれがどのように収益に反映してくるかに注目です。
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