「224人の子の脳」3年追って見えたスマホの脅威 成績が低下してしまう真の要因はどこにあるか

拡大
縮小

ところで認知機能、すなわち脳の機能は、大脳灰白質の体積だけで決まるわけではありません。情報処理機器としての「脳」を考えると、神経細胞のネットワーク自体が大事だという考え方もあります。そこで神経細胞のネットワークの部分、すなわち神経線維層である大脳白質の3年間の発達に関しても、MRI画像で同様に調べてみました。

図3:本書より引用

図3をみてください。この図は脳を3方向から断面にしたものです。Aが脳を横に切った図。向かって左が左脳であり、上は前方に対応しています。Bは脳を縦に切った図。向かって右が前方に対応しています。Cは脳を水平方向に切った図。上半分が左脳で下半分が右脳であり、そして右側が前方ということになります。

ネットの使用頻度が高いと悪影響

色のついている部分は、3年間の脳の成長を追跡した結果、インターネット習慣が多いほど大脳白質の発達が統計的に有意に遅くなっていると判断された領域です。MRI画像上、局所の白質密度が3年間の成長で増えていない、すなわち成長に伴う白質の発達が認められない領域を意味しています。

インターネット使用の頻度が高いと、大脳灰白質や小脳内を結ぶほとんどの神経線維の発達に悪影響が出ていることがわかります。

図4:本書より引用

図4の見方は図2と同じです。横軸はインターネット習慣、縦軸は3年後の全脳の白質体積(cc)の増加を表す指標(統計処理後の指数)です。大脳全体でみても、インターネット習慣が多いと白質の発達が悪くなることがわかります。ほぼ毎日使う群では、3年間でほとんど発達が認められません。

次ページスマホ使用が学力を低下させる理由
関連記事
トピックボードAD
キャリア・教育の人気記事
トレンドライブラリーAD
連載一覧
連載一覧はこちら
人気の動画
TSMC、NVIDIAの追い風受ける日本企業と国策ラピダスの行方
TSMC、NVIDIAの追い風受ける日本企業と国策ラピダスの行方
【動物研究家】パンク町田に密着し、知られざる一面に迫る
【動物研究家】パンク町田に密着し、知られざる一面に迫る
広告収入減に株主の圧力増大、テレビ局が直面する生存競争
広告収入減に株主の圧力増大、テレビ局が直面する生存競争
現実味が増す「トランプ再選」、政策や外交に起こりうる変化
現実味が増す「トランプ再選」、政策や外交に起こりうる変化
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
会員記事アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
トレンドウォッチAD
東洋経済education×ICT