4月クールのドラマが続々と最終回を迎えていますが、今シーズンの民放ドラマは特に「犯罪ドラマ」が多かったように思います。19本のドラマのうち8本の主役が警察関係の人たち。おそらく2時間ドラマを足すともっとすごい数になるでしょう。
先日、テレビ業界の女性たちと情報交換していたら「もう、どの局も刑事さん、多すぎ!」と言っていましたから、確かに犯罪ドラマの乱立感は否めません。でも、これはテレビ局の戦略上、間違っているでしょうか。
今シーズンは、特にテレビ朝日が3本の犯罪ドラマをゴールデンタイムにそろえたことから、「テレ朝は、相棒の成功に続け、という”相棒病”にかかっているんじゃないか」という声も聞こえました。ところが「相棒に続け」と刑事物を制作することは、ドラマ界にはびこるリバイバル病(過去のヒット番組は現在も通じると信じこむ病)、キャスティング病(ドラマはキャスティングがすべてと思い込む病)とは違い、経済性に基づいた正当な戦略。病でも何でもありません。
犯罪ドラマは、日本だけではなく世界のどのテレビ局にとっても当たれば大きい大金脈であり、ここを掘っていくことは、恋愛ドラマやホームドラマに注力するより、ずっと重要だと考えられています。
米国のテレビドラマで、犯罪モノが席巻する理由
その証拠を米国のプライムタイムの週間ドラマ視聴者数ランキングから見てみましょう。
このうち、2位の「ビッグバン★セオリー」10位の「THE MILLERS」(ともにコメディ)を除くと、すべて犯罪ドラマ(英語では、Crime Drama、Crime TV Series)です。
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