最近、「佐川女子」を街でよく見掛けるワケ 「佐川男子」は古い!? 青ストライプ女子が急増中

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SGムービングでは、女性が見積もりから引っ越し作業まで手掛けるサービスを導入

女性従業員の職種別内訳を見ると、佐川急便の中で営業系(セールスドライバー、サービスセンターのスタッフなど)は現在、約4割まで増えてきており、事務系に迫っている。同社ではここ数年、女性の営業系職域への拡大が進んできた。

今年3月にJR東京駅構内の日本橋口改札前に設置した宅配センター「東京手ぶら観光手荷物預かり処」。ここでは飛脚マークをあしらった制服を着た女性たちが接客対応に追われている。東京観光を楽しむ人たちの手荷物を一時的に預かるほか、都内の宿泊先への即日配送にも対応する。東京都心や京都市内などの街中でも、トラックを使わずに台車や三輪自転車で荷物を集配する佐川女子の姿が目立ってきた。

引っ越しや車両整備でも女性活用

佐川急便以外のグループ会社にも、活躍の場は広がっている。今年4月からは、SGムービングが女性のための引っ越しサービス「レディースムービング」を始めた。女性従業員が見積もりから引っ越し作業までトータルサービスを提供するもので、前述の「わくわくアワード」で最優秀賞を受賞した。新サービス実施のため、女性従業員が整理収納アドバイザーや、高齢者をサポートするためにサービス介助士の資格も取得した。

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SGモータースには、女性だけの車両整備チームがある

また、SGモータースは、女性だけの車両整備チーム「SGMレディース」を展開する。整備工場内で女性が快適に就業できる職場環境づくりに努めているという。

WWPでは、これまで女性の就業職域を事務職以外に拡大する「水平展開」を進めてきた。今後は、女性管理職を多く輩出していくための「垂直展開」にも力を注ぐ。現在、部長級の女性は2人だが、「将来の経営人材にもなりうる女性のキャリアアップを進める一方、女性層が意思決定に入っていけるような組織づくり、管理監督者自身の労働環境改善も図っていく」(兵藤チーフ)意向だ。

SGHDは、最終的にはダイバーシティ(人材多様性)企業を目指している。そのためには、男性だけでなく、子供のいない女性への啓発も重要になる。今後は、WWP以外にもグループ各社の取り組みを強化し、女性活用への意識改革を加速させる計画だ。

鈴木 雅幸 東洋経済 記者

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すずき まさゆき / Masayuki Suzuki
2001年東洋経済新報社入社。2005年『週刊東洋経済』副編集長を経て、2008年7月~2010年9月、2012年4月~9月に同誌編集長を務めた。2012年10月証券部長、2013年10月メディア編集部長、2014年10月会社四季報編集部長。2015年10月デジタルメディア局東洋経済オンライン編集部長(編集局次長兼務)。2016年10月編集局長。2019年1月会社四季報センター長、2020年10月から報道センター長。
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