煙がなければどこでもOK? 強まる喫煙規制にJTが奇策
10月の大幅増税や受動喫煙規制強化など、逆風下にあるたばこ業界。そんな中、国内最大手JTが煙の出ない「無煙たばこ」という奇策に打って出た。
「ゼロスタイル・ミント」はたばこの葉が詰まった専用カートリッジに、プラスチック製のパイプを装着して利用。葉を細かく刻むことで空気に触れる面積が増え、火をつけずに吸い込むだけで味と香りを味わえるという。
古くからある無煙たばこの一種「かぎたばこ」を応用し、数年かけて開発してきた。5月中旬に東京で発売し、順次全国で展開する。
「さまざまなシーンで気軽に楽しめるのがコンセプト」(小泉光臣副社長)として禁煙スペースでの利用も想定。飛行機内など自主的に禁煙を定める空間のみならず、4月施行の受動喫煙防止条例で公共の場での喫煙に罰則規定を設ける神奈川県などでも使えると説明する。
法律上も「受動喫煙の規制はあくまでも煙に対してのもの」(神奈川県健康増進課たばこ対策室)として、規制の対象外となる。
ただ、使用後にたばこ臭がするうえ、吐く息にはニコチンなどの有害物質(シガレット型の20分の1程度)も含まれる。JTは消費者に、使用時には施設管理者の許可をとることを推奨する。はたして、「無煙」を理由にした禁煙スペースでの“喫煙”はどこまで理解を得られるのか。
(麻田真衣 =週刊東洋経済2010年4月3日号)
記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
印刷ページの表示はログインが必要です。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら