「お年玉、預かっておくね」が男の子にNGな理由 名門・開成中学高校の元校長が語る1つの真理

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学校で十分に教えてもらえないのなら、親がその役割を果たすという覚悟で、日常的、かつ積極的にお金とのつきあい方を話題にしていくほうがよいと思います。

子どもが金融や資産運用の分野に興味を持ったのなら、知識を与えるのは決して悪いことではありません。投資に関しても、親に十分な知識がないのなら、一緒に学んでみるのも悪くはないでしょう。

塾の「サボり」もお金教育の好機

以前、「塾に通わせているのに、サボってばかりいるんです」という悩みを打ち明けてくださったお母さんがいました。

こういうとき、勉強に対する取り組み方をアドバイスするほうが一般的だと思うのですが、私はちょっと違ったアプローチからお話をすることにしました。この場合も、「お金」についての教育をするチャンスだと思ったのです。

たとえば、塾の月謝に毎月いくら払っているのか、それは1回あたりいくらになるのか(=1回サボることでどれくらいの損失になるのか)、そして、それに相当するお金を稼ぐのに、どれくらいの労働が必要なのか。こうしたポイントについて、具体的な数字を出しながら話してみるといいでしょう。

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中学生以上なら、塾の月謝がご家庭の生活費の中でどれくらいのウエイトを占めているのかを伝えても十分理解できる年齢です。塾に通うという行為には「コスト」がかかっているのだと、きちんと理解させることが大切なのです。

もしも、毎月数万円もかけているにもかかわらず、そのコストに見合う成果が出ていないとしたら、つまり、成績が一向に上がらないのだとしたら、親子でその原因について率直に話し合うべきでしょう。

「プレッシャーをかけるのは良くないのでは?」と思うかもしれませんが、実は男の子というのは論理的な話のほうが理解しやすい面があります。いたずらに感情に訴えかけるより、コストを切り口にして話すほうが、成果を出す必要性に気付きやすいのです。

たっぷり時間がある冬休みは、親子で「お金」に関する話をする良い機会かもしれません。今年は「お年玉」の管理権を、ぜひ、子どもに譲ってあげてください。

柳沢 幸雄 東京大学名誉教授

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やなぎさわ ゆきお / Yukio Yanagisawa

北鎌倉女子学園学園長。1947年生まれ。東京大学工学部化学工学科卒業。民間企業に勤務後、東京大学大学院工学系研究科博士課程修了。ハーバード大学公衆衛生大学院准教授、同大併任教授、東京大学大学院新領域創成科学研究科教授を経て、2011年より開成中学校・高等学校校長を9年間務めた。2020年4月より現職。近著に『お母さんに知ってほしい 思春期男子の正しいトリセツ』(SBクリエイティブ)がある

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