リストラ請負人映画『マイレージ、マイライフ』のエンディング曲を歌うのは、リーマンショックでリストラされた男--ケビン・レニック

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 ジョージ・クルーニーが敏腕リストラ宣告人を演じた映画『マイレージ、マイライフ』(原題「Up In the Air」)は全米で大ヒットし、アカデミー賞作品賞、監督賞など主要5部門にノミネートされた。現在日本でも公開中だ。

この映画では、もう一つのエピソードがある。それは映画のエンディング曲を歌うケビン・レニック自身が体現したストーリーだ。

ケビンは長年働いていた広告代理店を2008年、51歳の時にリストラされた。そこで子どもの頃からの夢だった音楽活動を始め、そのうちの1曲がジェイソン・ライトマン監督の目に留まり、映画で使われるようになった。

リストラ請負人をテーマにしたハリウッド大作映画で、リストラ経験のある人物が歌手デビューを飾る。このドラマのような顛末を、ケビン・レニックに聞いた。

--リストラされてから音楽活動を始めるまでの経緯を。 

僕が最初の曲を書いたのは10歳の時だ。音楽を本格的に始めたのは高校時代。頭の中にたくさん曲が浮かんで、自分は才能があると思っていた。

学校を出てからいくつかの職を転々として、1980年代後半から広告代理店で働くようになった。90年代初めにいったん会社を辞めて、音楽活動を始めてみた。でもうまくいかず、また広告業界に戻ったんだ。

広告代理店では校正の仕事をしていて、音楽とはまったく関係のない仕事だった。でも音楽とかかわっていたくて、ライターとして音楽の記事を雑誌に書いたりはしていた。地元セントルイスの音楽業界では結構名を知られた存在だったんだよ。

08年11月、リーマンショックの影響で、勤めていた会社が人員整理を行った。僕は大丈夫かなとも思っていたんだけど、解雇されてしまった。

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