高速道路では、さらにRSの本領が発揮される。合流でアクセルを踏み込み加速していくと、独特のターボエンジン音とともにタコメーターの針が一気に上昇し、制限速度まで楽に到達する。きつい登り坂でも加速が鈍ることがなく、クルマの流れに余裕で乗ることができる。
街中でやや硬めに感じたサスペンションは、速度域が高い高速道路でより真価を出す。ある程度の高い速度で進路変更をしたり、コーナーを曲がったりする際も、サスペンションがしっかりと踏ん張り、車体のロールも少なく安心感がある。また、ステアリングの舵角に対し、車体が素直に反応してくれるため、思い通りのラインをトレースできるのもいい。
このあたりは、N-BOXにも採用されているホンダ独自のプラットフォーム「センタータンクレイアウト」をベースに、新設計した高効率ボディの効果が現れているのだろう。運転席下に燃料タンクを配するこの特許技術により、軽ハイトワゴンとは思えない低重心の車体を実現している。トルクフルなエンジン性能と相まって、小型スポーツカーのような軽快な走りが楽しめる。
意外にもサスペンションは、先代のRSと比べ、スプリングのバネレート(硬さ)を15%下げて柔らかくしているそうだ。そのぶん、前後にスタビライザーを装備するなどでロール剛性を向上させることで、しっかりと路面に追従しながらも、乗り心地がいい足になっているのだ。
スポーティな走りが楽しめる「Sレンジ」
新型N-ONEのCVT仕様車は、全グレードにアクセルのレスポンスがより向上する「Sレンジ」を装備し、さらにRSでは専用セッティングも施されている。試しに高速道路で使ってみたが、格段に走りがスポーティになる。
特にRSでは、アクセル中間開度までを高回転化することで、アクセル踏み始めからのレスポンスがDレンジに比べ、さらに俊敏になる。後から乗ったOriginalのSレンジも、レスポンスはよくなるが比較的マイルドな設定なのに比べると、明らかに応答が速い。運転好きの人であれば、ワインディングなどで、アクセルのオン/オフをうまく使った機敏な走り方も楽しめるだろう。
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