ホンダが11月20日に発売した新型の軽自動車「N-ONE」は、「外観デザインを大きく変えないフルモデルチェンジ」で話題になった。2012年に登場した初代モデル以来、約8年ぶりの大幅な仕様変更ながら、見た目をほぼ変えず、走りや先進安全性能などの中身をアップデートした新型N-ONEには、いったいどんな乗り味が施されているのだろうか。新たに追加された6速MTを搭載した「RS」グレードも含め、試乗する機会を得たのでレポートしよう。
Nシリーズの中でもホンダを象徴するN-ONE
N-ONEは、今や日本一売れている軽スーパーハイトワゴン「N-BOX」を擁するホンダ「Nシリーズ」に属する(ほかに軽トールワゴンの「N-WGN」や軽商用車の「N-VAN」がある)。レトロで愛らしいデザインや、軽トールワゴンとしては低めの全高などによる軽快で安定した走りなどが好評を得ているモデルだ。
特にN-ONEは、1960年代に大ヒットした「N360」をイメージしたフォルムが、昔からのホンダファンなどに好評だ。また、走行性能を向上させたグレード「RS」を設定している点も、かつて圧倒的な動力性能を誇ったN360を彷彿とさせ、軽自動車でも走りを楽しみたい「クルマ好き」から熱い支持を受けている。
中でも今回のフルモデルチェンジで追加された、FFターボエンジンと6速MTを組み合わせた仕様は、今や大衆車の代名詞ともいえるN-BOXやN-WGNなどとは一線を画す存在だ。軽トールワゴンというカテゴリーながらホンダらしい“走り”を強く意識した特別なモデルといえるだろう。
N-ONEの新車販売台数は、2019年まで登録車を含めて3年連続、軽四輪車では5年連続で1位(2020年上半期も1位)を獲得したN-BOXにはとうてい及ばない。だが、「走りも楽しい」軽トールワゴンという設定は、他メーカーのラインナップにも類を見ない個性的な存在として一際目立っている。
今回の試乗では、前述のスポーティーグレードで、ターボエンジンを搭載したRSのCVTと6速MTの2仕様、それにNA(自然吸気)エンジンを搭載したベースグレードのOriginal(オリジナル)に乗る機会を得た。いずれもFF車だ。
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