さらに6速MT仕様では、軽自動車の6MT車では初の「ACC(アダプティブ・クルーズ・コントロール)」と「LKAS(車線維持支援システム)」を搭載している。特に前車との車間距離を測りながら加減速するACCは、渋滞路でかなり効果を発揮するはずだ。
なお、6速MT仕様のタコメーター内には、ACC作動中に速度に対しギアが合っていない場合、シフトのアップ/ダウンを促す「シフトインジケーター」も装備する。前述の通り、インパネ周辺は一見シンプルだ。だが、実は「快適に走る」ための細かい装備が至る所に配置されている。こういったユーザー・ファーストの作り込みも、新型N-ONEが持つ魅力のひとつだろう。
Originalも街乗りではストレスなく快適な走り
ベースグレードであるOriginalの走りは、しなやかな足周りが印象的だ。スポーティでカッチリ感があるRSとは、味付けがかなり異なる。かといって、コーナーなどで車体のロールが大きいわけではなく、しっかりと粘るような感じで不安はない。これはRSと同様に、前後サスペンションに装着されたスタビライザーの効果が大きいのだろう。
搭載されるNAエンジンの出力特性は、RSと比べると全体的にマイルドだ。バルブコントロール機構「VTEC」を採用した660cc・3気筒エンジンは、最高出力58ps、最大トルク6.6kgf・mを発揮し、WLTCモード総合で23.0km/h(FF車の場合)という優れた燃費性能も持つ。
アクセル開度に対するレスポンスは悪くないのだが、RSに比べると比較的ゆったりと加速する感じ。もちろん、街中など速度域があまり高くないエリアでは、ストレスを感じることはない。交通の流れに十分乗れるし、小柄な車体と相まって、細い路地などでも気軽に走ることができる。
ただし、高速道路の合流時や、勾配がきつい登り坂などでの加速では、やはり660ccという小排気量エンジンであることを感じる場面もある。先にRSに乗ったということもあるが、トルクが物足りないときがあるのだ。とはいえ、一定速度で巡航走行する場合などは、前述のしなやかなサスペンション特性もあり、快適性はかなり高い。
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