RSの走りは高揚感があるが、ドライバーによっては反応がよすぎると感じるかもしれない。一方、Originalの場合は、あくまでのんびりと余裕を持った走りを楽しむ人向けだといえるだろう。
今回試乗した新型N-ONEのRS(CVTと6速MT)とOriginalは、同じ車体ながら走りの味付けがかなり違う。RSのCVT仕様なら、その余裕のエンジン出力やしっかりした足周り特性により、長距離ドライブもきっと楽しい。また、RSの6速MT仕様は、ワインディングやサーキット走行などで、よりスポーティな走りも楽しめる。「クルマで走ること」が趣味である人に最適なのに加え、旅行などのレジャーにも対応する奥深さがあるのだ。
スポーティなRSと、女性が乗りやすいOriginal
なお、スポーティな走りが楽しめるホンダの軽自動車には、前述のS660もある。だが、こちらは2シーターのオープンカーのため、荷物の積載量は少ない。N-ONEなら、後席を前に倒せばかなりの荷物が積めるため、夫婦など大人2名でゆっくりと行く、クルマの長旅などにも十分に対応する。
一方のOriginalは、あくまでゆったりと快適に走りたい人向けだ。通勤・通学や買い物など、日常の街乗りを中心にクルマを使う人に最適な走りと、レトロで愛嬌があるスタイルは、欧州の小型車のようなシティコミューター的な使い方がとてもマッチする。
近年、軽自動車は、60歳以上の高齢者が購入するケースが増えているという。そういった人たちは、子供が独立するなどで家族で乗るようなミニバンなどから、よりコンパクトで街中でも取り回しがいい小型のクルマに「ダウンサイジング」するのだ。
N-ONEは、新型になって安全運転支援システム「HONDA SENSING(ホンダセンシング)」を全車に標準装備している。
衝突軽減ブレーキや誤発進抑制機能、歩行者事故低減ステアリング、オートハイビームなど、8つもの先進機能(一部はCVT車のみの設定)は、社会問題にもなっている高齢者のペダル踏み間違いによる重大事故にも対応したものも多い。走りのRSを選ぶか、街で楽しいOriginalを選ぶかは好みで分かれるが、高齢者でも、クルマに乗ることを楽しみたい人にN-ONEは最適な選択肢のひとつといえるだろう。
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