群馬の巨人「ベイシア」孤高の小売集団の全貌 2020年にグループの総売上が1兆円を突破
「本年10月をもって総売上1兆円を達成いたしました」
2020年11月19日、群馬に本拠を置く小売り企業主体のベイシアグループは、静かに1兆円(2019年11月~2020年10月の総売上高)到達のお知らせをホームページに掲載した。
売上高1兆円を超える小売りグループは、国内に10もない。直近の決算期ベースで売上高の上位を見ると、イオン、セブン&アイホールディングス(HD)、ファーストリテイリング、パン・パシフィック・インターナショナルHD(旧・ドンキホーテHD)といった誰もが知る上場企業が名を連ねる。その中で、非上場のベイシアグループは7位。まさに異色の存在である。
ベイシアグループで唯一上場するのが作業服チェーンで急成長を続けるワークマンだ。ホームセンター業界で売上高トップのカインズもグループの一角をなす。カインズとワークマンが“きょうだい”であることは、あまり知られていないだろう。
M&Aをせずに1兆円に到達
ベイシアグループは1959年に群馬県伊勢崎市で服地屋として創業した「いせや」を前身とする小売り主体の企業集団で、グループ会社は28社を数える。創業者である土屋嘉雄氏(88)が会見などの表舞台に出てくる機会はほぼない。創業者一代で築き上げたグループは孤高の流通小売り集団ともいえる。
小売り業界では事業拡大の切り札としてM&Aを積極的に行ってきた企業が多い。だが、ベイシアグループはM&Aを一切行わず、自前での着実な成長路線を歩んできた。創業者の土屋嘉雄氏は、東洋経済の取材に対し「(M&Aを)否定してきたのではなく、これまで選択する必要性がなかった。規模だけの追求はしたくない」と答えた。
現在、ベイシアグループ全体をとりまとめる旗振り役はカインズの土屋裕雅会長(創業者の長男)が担っており、新たなグループ経営を見据えた取り組みが着々と進んでいる。孤高の小売り集団は売上高1兆円を達成した先に、どのような変貌を遂げるのか。
以下の記事を配信しています。
知られざる「1兆円小売り集団」の全貌
インタビュー①/創業者・土屋嘉雄氏がすべてを語る
インタビュー②/カインズ・土屋裕雅会長を直撃
インタビュー③/ワークマン・土屋哲雄専務を直撃
カインズ、ワークマン“真逆”の経営スタイル
データ/3つの指標でわかるベイシアグループの実力
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