80歳の私が政府のコロナ対策に強く切望する事

通常医療を保って救える命を守れるように

高齢者の1人として政府の政策に異を唱えます(写真:KY/PIXTA)
昨今の経済現象を鮮やかに切り、矛盾を指摘し、人々が信じて疑わない「通説」を粉砕する──。野口悠紀雄氏による連載第33回。

Ageはイシューでない

年齢は、通常の場面では問題とすることが少なくなった基準です。しかし、新型コロナの重症化や死亡リスクは、高齢者に偏っています。このため、「高齢者を見捨てる」という政策が取られかねません。今回の記事は個人的意見を強めに出しますが、私は、こうした政策には断固反対です。

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私はもうすぐ80歳になります。

「その歳になって、よく原稿を書き続けますね」と先日言われました。

「80歳になっては、ものを書く気力も能力も失われるだろう」との先入観にたっての発言です。しかし、何たる認識の誤りでしょう。

瀬戸内寂聴さんは、100歳近くになって新聞連載を続けています。

先日の記事には、「歯を喰(く)いしばって、『自助』を貫いてきた。その長い歳月、国家や政府から『公助』を受けた覚えはない」とありました(朝日新聞、2020年10月8日)。

これを読んで、人生の基本姿勢を考え直した人が大勢いたことでしょう。私も、頭を殴られたような気になりました。

これまでは、「50、60はハナタレ小僧。70になってやっと世の中がわかる」と息巻いていたのですが、80歳になってもまだ「ハナタレ小僧」であることを悟りました。

私は、まだこうした文章を書けるようにはなっていません。あと20年も書き続けないと、その境地に達することができないと、強く感じました。

1984年のアメリカ大統領選挙。当時のレーガン大統領は73歳で、史上最高年齢の候補者でした。

この時行われたテレビ討論で、「年齢問題」が提起されました。民主党候補のモンデール氏は56歳。「レーガン氏は、危機に際して大統領の激務に耐えられないのではないか?」という問題です。

それに対してレーガン大統領は、「私はこの選挙で年齢を争点にしたいとは思いません」とちょっと困った表情を見せたのですが、それに続いて次のように言ったのです。

「したがって、モンデール氏が若いために経験不足であることを、政治的に利用するつもりはありません!」

会場は爆笑に包まれ、モンデール氏も思わず笑ってしまいました。

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