この発言でレーガン大統領の支持率は急上昇。その後さらに支持率を伸ばして、ミネソタ州とワシントンD.C.以外のすべての州を制し、再選されたのです。
ところで、今回の大統領選で、バイデン氏は当時のレーガン氏より年上です。私もレーガン大統領に倣(なら)って、「年齢はイシューではない」と主張したいと思います。
もっとも、肉体的能力が問題になってきたと感じるときはあります。
散歩していると、自分では早足で歩いているつもりなのに、ほかの人に抜かれてしまうのです。追い抜いていった人を改めて見ると、ずいぶんゆっくりと歩いています。
ところが、その先のガラスドアに映った自分の姿を見ると、信じられぬようなノロノロ歩きです(姿勢正しく歩いてはいますが)。
こうしたことになってしまうのは、やむをえないこととして受け入れざるをえません。
しかし、心情的に受け入れることができないこともあります。
それが、ほかならぬ新型コロナウイルスへの抵抗度です。
高齢者は、新型コロナウイルスに対する抵抗力が弱く、感染すれば命の危険にさらされます。これは、統計的に見て、受け入れざるをえない事実です。
しかし、それがもたらす社会的・政策的帰結は、受け入れがたいものです。
医療崩壊が迫る島でヴァカンス旅行を楽しむ
この問題を強く感じたのは、今年の春のことです。
沖縄県では、新型コロナウイルスの感染拡大によって医療体制が非常事態に陥り、4月20日には県独自の緊急事態宣言が発令されました。
そして、玉城デニー知事は、大型連休に沖縄へ来る予定の人たちに、旅行のキャンセルを求めました。
この切実な旅行自粛要請にもかかわらず、かなりの人が沖縄に押し寄せたのです。
医療崩壊が迫っている島に出かけてヴァカンスを楽しみたいとする人がいる。そうした人たちの心理状況を理解できないと、感じました。
しかし、しばらく考えて、これは当たり前のことだとわかりました。
コロナウイルスの重症化や死亡リスクは、高齢者と基礎疾患を有している人々に偏っているからです。
つまり、高齢者や基礎疾患者以外の人々が「自分は大丈夫」と考えるのは、多分、合理的な判断なのです。
そうであれば、医療崩壊が迫る島でヴァカンス旅行を楽しむのは、当たり前の行動なのかもしれません。誰もがそう考えるが、口に出さないだけのことなのでしょう。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら