「インフルエンサー」への信頼感が弱まった理由

「Z世代」の若者が求めている「共感」の正体

今後キーワードになる「インフルエンサー未満」とはどのような存在でしょうか(写真:Pangaea/PIXTA)
SNSで多数のフォロワーを抱える「インフルエンサー」の影響力に変化が起きているのはなぜなのか、マーケティングアナリストの原田曜平氏がZ世代(ジェネレーションZ)の若者を分析した『Z世代 若者はなぜインスタ・TikTokにハマるのか?』から一部抜粋・再編集してお届けする。

インフルエンサーの影響力は本物か

「これからはインフルエンサーマーケティングの時代だ」と言われて久しく経ちます。確かに多くの若者がSNSやYouTubeを見るようになり、これらのメディアで活躍するいわゆるインフルエンサーはフォロワーも多く、マーケティング上、大変重要な存在になっていることは間違いありません。

「Z世代白書2020」の「スマホ広告ネイティブ調査」によると、「SNS投稿のうち参考にしているものをすべて教えてください」という問いに対し、「企業のSNS」25歳以上66.7%、Z世代28.9%、「芸能人のSNS」25歳以上36.4%、Z世代35.5%、「インフルエンサーのSNS」25歳以上33.9%、Z世代35.5%、「一般ユーザー」25歳以上75.8%、Z世代80.3%と回答しており、25歳以上が「企業のSNS」や「芸能人のSNS」を参考にしているのに対し、Z世代は「インフルエンサーのSNS」や「一般人」を参考にしていることがわかります。

しかし、ツイッターもインスタグラムもYouTubeも若者に根付き、企業もこぞってマーケティングにインフルエンサーを活用するようになり、インフルエンサーたちもいわゆる企業案件の投稿が増えたことで、Z世代の間でインフルエンサーに対する信頼感が以前ほど強くなくなってきていることは確かです。

そうした中、今後キーワードになるのが「インフルエンサー未満」です。これは、世に出始めたばかりのインフルエンサーのことで、フォロワー数もまだものすごくは多くなっておらず、スレていない人たちのことです。

「Z世代白書」では「自分の日常に近い動画・投稿は信用できる」という項目に対する回答が、Z世代50.2%、25歳以上35.4%で、Z世代がより「自分に身近な存在」や「親近感」を求めるようになってきていることが分かります。

かつてインフルエンサーもそうした身近な存在だったはずですが、企業案件を行うインフルエンサーが増え過ぎたことで、「むしろスーパーTVタレント(例えば、広瀬すずさんや上白石萌音さんなど)かインフルエンサー未満」の方が信用できる、という声を、本当に多くのZ世代から聞くようになっています。

TikTokがZ世代の女子中高生にウケているのはまさにこれが理由で、ツイッターやインスタは基本的には自分がフォローした人(つまり、知っている有名人)の情報しか見られないのに対し、TikTok上ではたくさんの「インフルエンサー未満」に意図せず出会えるからです。

これまで企業は「スーパーTVタレントは広告に起用すると値段が高い。それより安いインフルエンサーを使おう」という理由で、インフルエンサーをマーケティングに起用していた面もあったと思います。

次ページZ世代の信頼感を得るための方法
ビジネスの人気記事
トピックボードAD
関連記事
  • 映画界のキーパーソンに直撃
  • ほしいのは「つかれない家族」
  • 森口将之の自動車デザイン考
  • ブックス・レビュー
トレンドライブラリーAD
人気の動画
ひろゆき感動「難病61歳の人生サイボーグ化計画」
ひろゆき感動「難病61歳の人生サイボーグ化計画」
会社にとって「一番お荷物になる社員」5つの条件
会社にとって「一番お荷物になる社員」5つの条件
ソニーとパナソニック、10年で大差ついた稼ぎ方
ソニーとパナソニック、10年で大差ついた稼ぎ方
優秀なはずの上司の下で部下が育たない根本理由
優秀なはずの上司の下で部下が育たない根本理由
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
トレンドウォッチAD
生前贈与がダメになる<br>相続の新常識

相続をめぐる環境が激変しています。年110万円まで非課税だった生前贈与が税制改正により認められなくなる可能性も。本特集では相続の基本から、よくあるトラブルと解消法、最新路線価に基づく相続税額、さらに生前贈与の将来動向まで取り上げました。

東洋経済education×ICT