影山ヒロノブが語る「アニソン」が持つ真の使命 誰でも歌のフレーズはしっかり染みついている
『ゴールをぶっ壊せ』にも書きましたが、人気絶頂のアイドルシンガーから、道を失い、一度は地獄に叩き落された俺を、再び音楽のメインストリームに連れ戻してくれたのは、アニソンと、それを取り巻く人たちでした。
「アニソンベスト」「アニソン動画」「アニソン配信曲」――。 今、巷にあふれている「アニソン」という言葉は、実はちょっと不思議な使われ方をしています。なぜなら、音楽のジャンルとして使われてはいるけれど、厳密には「アニソン」は音楽のジャンルとは言い切れないからです。
多種多様な音楽を内包している「アニソン」
たとえば、ロックやクラシック、ジャズなどは、楽譜上での表現方法や作られた時期などによって分類することが可能です。そんな難しいことを考えずとも、ちょっとメロディーを聴けば、おそらく誰もが「これはクラシック」「これはロック」と、理解することができるでしょう。
微妙な境界線上に存在する音楽もありますが、少なくともベートーヴェンの「交響曲第九番」とディープ・パープルの「ハイウェイ・スター」を同じジャンルの音楽と感じる人は、いないはずです。
でも、アニソンの場合、音を聞いただけでは、アニソンかどうか、即座には判別できません。
それは一口に「アニソン」と言っても、童謡風もあればロック風もあるし、J・POP風、演歌風や、クラシック風まであるから。つまりアニソンは様々なジャンルの音楽をみんな飲み込んでしまっているのです。
言いかえれば、それこそがアニソンの強みであり、国境を越えて幅広い層の人気を獲得している理由でもあるわけですが、いずれにしろ、1つのジャンルとして取り扱うには、あまりに多種多様な音楽が内包されています。
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