影山ヒロノブが語る「アニソン」が持つ真の使命 誰でも歌のフレーズはしっかり染みついている

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先日、札幌でラジオ番組に出た時、同世代のパーソナリティと、第1作のアニメ「鉄人28号」の話になりました。

50年以上前のモノクロ作品ですし、主題歌も覚えていないと思っていましたが、気付いたら二人そろって口ずさんでいた。これにはちょっと驚きました。

「へえ、この歌を俺たちはちゃんと覚えていて、しかも今も歌えるんだ――」

アニメが放送されていた当時、「鉄人28号」を毎週楽しみにしていた俺は、鉄人28号チューインガムの包み紙の、こすると転写できるシールを下駄箱にべたべた貼り付けては、おかんにどやされていたものでした。でも、その時貼り付いたのはシールだけじゃない。主題歌もまた、俺の心にしっかりと貼り付いていたんです。

フレーズが心に焼き付いている

もちろん「鉄人28号」に限りません。「仮面ライダー」主題歌の「迫るショッカー」というフレーズを、俺は死ぬまで絶対に忘れないと思います。「ウルトラマン」や「海のトリトン」「ジャングル大帝」の主題歌も同じです。頭で「覚えている」というより、すっかり染み付いてしまっている。

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あの頃は、ビデオもなかったから、基本的には週に1回の放送で聴くだけ。それなのに、テレビで何百回も耳にするCMソングより、ずっとずっと心に焼き付いている。

主題歌が歌えるということは、その作品が伝えようとしたメッセージも一緒に心に、そして魂に刷り込まれているということだと思います。歌を通じて、誰かの心に半世紀以上の時を超えてメッセージやフレーズが刻み込まれる。なんと奇跡的で素敵なことでしょうか。

そんな自分の経験にあらためて照らしてみると、アニソンとは、いくら時が経とうが、きっと頭ではなく心で覚えている歌、と定義することもできると思います。

影山 ヒロノブ アニソンシンガー

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かげやま ひろのぶ / Hironobu Kageyama

1961年、大阪府生まれ。 アニソンシンガー、作曲家、編曲家。77 年、ロックバンド「LAZY」でデビュー。85年、アニメ・特撮ソングに出会い、「電撃戦隊チェンジマン」などの主題歌を担当。以後「CHA-LA HEAD-CHA-LA」や「聖闘士神話~ソルジャー・ドリーム~」などを通じ、アニソン界を代表する地位を確立。2000年、JAM(ジャパン・アニメーションソング・メーカーズ)Projectを結成。活動を世界に広げながら、現在では作詞、作曲をこなす「アニソンアーティスト」としてその音楽を届けている。2021年、JAM Project結成20周年を記念して作成した初のドキュメンタリー映画を公開予定。

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