中国の輸出が予想を超える勢いで拡大している。中国海関総署(税関)が12月7日に発表したデータによれば、2020年11月の中国のドル建て輸出額は2680億7000万ドル(約27兆9275億円)と前年同月比21.1%増加。伸び率は直前の10月(同9.5%増)より9.7ポイント上昇し、2018年2月以降の最高値を記録した。
主要な輸出品目はいずれも前年同月比2桁の伸びを示した。なかでも注目に値するのが、マスクや医療機器などの防疫関連物資とノートパソコンなどのテレワーク関連商品だ。これらの品目の輸出は新型コロナウイルスの世界的大流行により今年前半に爆発的に拡大した後、ここ数カ月は減少傾向を見せていた。ところが欧米諸国などでの感染再拡大に伴い、輸出が再び増加に転じた格好だ。
野村証券中国のチーフエコノミストを務める陸挺氏は、11月の輸出が急増した要因について「防疫関連物資とテレワーク関連商品の需要が再び増加したタイミングに、クリスマス休暇前の季節的な需要増が重なった」と分析する。輸出好調は今後さらに数カ月続くと、陸氏は予想している。
海外から中国に生産を移す動きも
品目別では、マスクを含む紡織品の11月の輸出は前年同月比21%増加し、伸び率が10月より6.1ポイント上昇した。医療機器は同38.2%増加し、10月より8.2ポイント上昇。ノートパソコン、タブレット、液晶ディスプレーなどを含む「自動データ処理装置および部品」は同34.3%増加し、10月より7.7ポイント上昇した。
欧米諸国などでの新型コロナの再拡大は、海外の製造業の生産活動に影を落としている。そんななか、生産の一部を(新型コロナの影響をいち早く脱した)中国に移す動きがあり、輸出企業の追い風になっている。例えば玩具の輸出は10月に前年同月比22.4%の増加を示し、11月は同49.9%増と勢いがさらに加速した。
機械電気製品の輸出も堅調に拡大している。11月は前年同月比25%増加し、伸び率は10月より12.1ポイント上昇した。そのなかでスマートフォンは輸出の変動幅が大きく、9月と10月は2カ月連続で前年同月比2桁の減少を見せたが、11月は一転して同29.2%の大幅増を記録した。
(財新記者:程思煒)
※原文の配信は12月7日
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