低価格商品を得意とする中国の電子商取引(EC)大手、「拼多多(ピンドゥオドゥオ)」の成長が続いている。アメリカのナスダックに上場する同社が11月12日に発表した2020年7~9月期の決算報告によれば、同四半期の売上高は142億100万元(約2257億円)と前年同期比89%増加した。
アメリカ会計基準(GAAP)ベースの純損益は7億8500万元(約125億円)の赤字だったが、前年同期の23億3500万元(約371億円)の赤字からは大幅な改善を見せた。
そして注目すべきなのが、ストックオプションや減損損失などを控除・調整した非GAAPベースの純損益が4億6640万元(約74億円)の黒字に転じたことだ。拼多多は創業から5年を経て、四半期ベースで初めての黒字化を達成した。
この決算発表を受け、拼多多のADS(アメリカ預託株式)は急騰。11月12日の終値は134.21ドル(1万4122円)と、前日の終値より20.4%上昇した。
ユーザー1人当たり消費額は伸び悩み
拼多多の7~9月期の月間平均アクティブユーザー数は6億4300万人と、前年同期比50%増加した。また、2020年9月末までの1年間のアクティブユーザー数は同36%増の7億3100万人に達した。中国のEC最大手、阿里巴巴(アリババ)の同じ期間のアクティブユーザー数は7億5700万人であり、それに追いつく勢いだ。
ただ、2020年9月末までの1年間にアクティブ購入者(訳注:拼多多を繰り返し利用するリピーター)が消費した金額は1人当たり平均1993.1元(約3万1670円)と、前年同期比では27%増加したものの、2020年6月末までの1年間との比較では横ばいだった。
平均消費額の伸び悩みについて拼多多の財務担当副総裁を務める馬靖氏は、3カ月前の4~6月期の決算説明会では、ユーザーの購買心理が(新型コロナウイルスへの不安が和らいだ後も)まだ慎重であることや単価の低い日用品や食品の購入頻度が増えていることなどを理由に挙げていた。この傾向が10~12月期にかけてどう変化するか、注目に値する。
拼多多を通じた商品販売の総額であるGMV(流通総額)は、2020年9月末までの1年間で前年同期比73%増の1兆4576億元(約23兆1612億円)に拡大した。ただ、4~6月期決算で開示した6月末までの1年間と比べると14.8%の増加にとどまっており、成長ペースが減速している。
(財新記者:原瑞陽)
※原文の配信は11月13日
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