まもなく羽田に降り立つ、第2の「中東の翼」 新空港オープンを追い風に旋風を巻き起こすか
IATA年次総会後に取材に応じた日本航空(JAL)の大西賢会長は「われわれのデータでは、中東を最終目的地にするお客様はドバイで20%くらい。ドーハはまだ7%程度であり、それ以外は乗り継ぎのお客様。自社便で運航するのはまだ先の話だ」と語った。
従来からのエミレーツ航空とのコードシェア便(共同運航便)に加え、カタール航空が2013年10月に航空連合ワンワールドに加盟したことで、新たにJALのコードシェア便となった。当面は、この2社とのコードシェアで需要に対応していく構えだ。
全日本空輸(ANA)の篠辺修社長も、中東路線について「エティハド航空とのコードシェア便を今後も継続していく。自社運航便については候補地には入っているが、早急に飛ばすという議論までは至っていない」とした。
ただし、国土交通省が5月16日に羽田空港の深夜早朝時間帯に日本・トルコ双方の航空会社が1日1便ずつの運航を可能とすることで合意したと発表したことについて、「自社運航便としての就航を検討している段階。要件が整い次第、飛ばしたいと考えている。イスタンブールは観光を含め、中東に比べると需要があり、ビジネス需要を含めた相乗的な効果が見込まれる都市だ」と話した。今のところ、ANAの視線は日本人と訪日旅行者(インバウンド)が見込める都市へ向いているようだ。
中東路線に飽和の懸念
なぜJAL、ANAとも中東路線に尻込みしているのか。エミレーツ航空は2013年6月から羽田への乗り入れを果たしており、カタール航空が今回新たに羽田便を就航することで、中東3社だけで日本路線が8路線体制(8便)となる。これはさすがに供給量が多いといわざるをえない状況だ。
今後も、エミレーツ航空、エティハド航空、カタール航空という中東航空会社同士の利用者争奪戦はさらなる激化が予想される。価格、ターミナル施設、乗り継ぎの利便性、機内エンターテイメントを含めた機内サービスなど、中東系航空会社の進化はまだまだ続いていきそうだ。
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