JAL大量欠航を招いた「重量管理」のカラクリ

効率運用の負の側面が顕在化

大量欠航をもたらしたのは、効率運用のために導入されたシステムだった

想定外のトラブルで、約1万4000人が影響を受けた。日本航空(JAL)は6月5日、システム障害により合計174便の国内線を欠航した。

全国各地の空港とつながるJAL全体の運航管理システムのうち、航空機の「重量管理」を行うシステムが、同日9時15分ごろにダウン。17時ごろに復旧したものの、システムが止まっている間の運航便の大半を飛ばせなかった。

システム復旧後は、特段の異常はなく運航は正常化。ただ、ダウンした重量管理システムは、今年1月に従来のものから刷新したばかりで、今回、初めてトラブルを引き起こした。6月6日午後時点では「原因ははっきり特定できていない」(JAL広報部)ことを考えると、原因を特定して明確な対策を打たない限り、同じようなシステム不良を起こす可能性を否定できない。

荷物の配置でバランスを制御

それにしても、今回の一件を引き起こしたのは、重量管理にかかわるたった1つのシステム不良だ。なぜ重量管理をできなくなったことが、大量欠航につながったのか。

航空機は、乗客の人数やその乗客が座る座席の位置、スーツケースをはじめとした乗客が預ける荷物、航空貨物として併載する荷物の量、燃料などが、便によって変動する。そこで航空機の重心を考慮して、前後左右でバランスを最適にしないと、安全かつ効率的に飛ばせない。

次ページきめ細かなシミュレーションが可能
ビジネスの人気記事
トピックボードAD
関連記事
  • 新型コロナ、長期戦の混沌
  • 意外と知らない「暮らしの水」ウソ?ホント?
  • 財新
  • 新競馬好きエコノミストの市場深読み劇場
トレンドライブラリーAD
人気の動画
地方スーパーが撃沈「コスモス薬品」の破壊力
地方スーパーが撃沈「コスモス薬品」の破壊力
パチンコホール「ガイア」店舗撤退で大激変する勢力図
パチンコホール「ガイア」店舗撤退で大激変する勢力図
日本人が知らない「ビタミンD」不足の怖さ
日本人が知らない「ビタミンD」不足の怖さ
「上司の品格」を疑われる、やってはいけない7つの質問
「上司の品格」を疑われる、やってはいけない7つの質問
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
トレンドウォッチAD
SDGsが迫る企業変革<br>ビジネスと人権

サプライチェーンの中で起きる人権侵害への意識が高まっています。欧米では法制化が着実に進展し、企業に対し人権リスクの把握と対策を求める動きが顕著に。欧米に比べて出遅れている日本企業の現状を多角的に検証します。

東洋経済education×ICT