まもなく羽田に降り立つ、第2の「中東の翼」 新空港オープンを追い風に旋風を巻き起こすか
その中で今年、台風の目になりそうなのがカタール航空である。強みは新空港だけではない。
現在、132機の航空機を保有しているが、エアバスA320を81機、ボーイング787を47機など、241機が今後納入される予定になっている。
ライバルのエミレーツ航空がすべて大型機であるのに対し、カタール航空は大型機であるボーイング777型機を主力としつつ、中型機の787、小型機のA320も保有するなど、路線の需要に応じて飛行機を使い分けている。
こうした機動的な航空機の運用が、運航コストの効率化に結びついている。実際、日本発の中東経由欧州行きではエミレーツ航空よりも安く販売されていることが多く、欧州への最安値料金がカタール航空という場合も珍しくない。
それでいて、英スカイトラックス社が実施しているエアラインの格付けにおいて、ANAを含めて世界で7社しか獲得していない5つ星を手にしている。筆者も実際に利用した際、客室乗務員は笑顔を絶やさず、細かい気配りがされており、日系航空会社に近い「おもてなし」が実践されていた。
航空会社によっては、客室乗務員のサービスレベルが高いと評判でも地上係員(グランドスタッフ)の対応がよくないケースもあるが、日本の航空会社と同様に機内と変わらない接客レベルであり、ターミナル内でも困っているとすぐに声をかけてくれる対応にも好感を持った。
質の高いサービスと、その割にリーズナブルな料金設定は、日本人の間でも着実に浸透しているようだ。
成田と関西からドーハへ毎日運航しており、6月18日からは羽田―ドーハ線をボーイング787型機で新規就航するなど、着実に便数を増やしている。ドーハ経由の欧州路線は、日本からのリーズナブルなルートとして定着しつつある。
日本の航空会社は様子見
それでは、日本の大手航空会社は中東路線に対して、どう対処しようとしているのか。
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