「交渉力、瞬発力、ジジ殺し力」より大事なこと 「起業の兄貴」としてのVCとのいい関係の作り方

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MBAホルダーにとって、最もセクシーな就職先の1つといわれるVC(ベンチャー・キャピタル)。「VCのバイブル」的な書籍『VCの教科書』の魅力を解き明かします(写真:metamorworks/iStock)
MBAホルダーにとって、最もセクシーな就職先の1つといわれるVC(ベンチャー・キャピタル)の内実を余すところなく網羅した、「VCのバイブル」的な書籍『VCの教科書』がこのたび翻訳出版された。「日本人の中にも、原著を座右の書としてVCの実務を研究したMBA留学生は少なくないはず」と語る宮下弁護士が、本書の魅力を解き明かす。

最もセクシーな就職先

今回、ベンチャー・ファイナンスのバイブルとして名高いベストセラー書籍『Secrets of Sand Hill Road: Venture Capital―and How to Get It』の訳書に、法律監修として関わる機会を得た。

『VCの教科書』(書影をクリックすると、アマゾンのサイトにジャンプします)

Sand Hill Roadというのは、ベンチャーの聖地であるアメリカ・カリフォルニア州のシリコン・バレーを走る“通り”の名前である。日本のベンチャーの聖地になぞらえていうなら、さしずめ、「道玄坂の秘密」「中山道の秘密」といったところか。それに『VC(ベンチャー・キャピタル)の教科書』という邦題をつけたのは、思い切ったストレートな決断だ。

しかし、原著を知る者ならこの邦題に違和感はないはずだ。原著を手にしたことのある日本人はそう多くないかもしれないが、日本人の中にも原著を座右の書としてベンチャー・キャピタルの実務を研究したMBA留学生は少なくないだろう。

MBAホルダーにとって、ベンチャー・キャピタルは最もセクシーな就職先の一つであり、ベンチャー・ファイナンスに関するtipsのみならずVCの内実を余すところなく網羅した本書は、まさしく「VCの教科書」として親しまれている書籍なのだ。

原著がどれだけ多くの読者に認められ、かつ、高い評価を受けているかは、Amazonの原著の紹介ページを見ればわかる。

著者であるスコット・クポール氏は、Airbnb、Facebook、Slack、Box等の名だたるユニコーン企業に対して投資実績を有するベンチャー・キャピタル「アンドリーセン・ホロウィッツ」のマネージング・パートナーである。

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