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「交渉力、瞬発力、ジジ殺し力」より大事なこと 「起業の兄貴」としてのVCとのいい関係の作り方

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  • 宮下 和昌 経営共創基盤(IGPI) ディレクター 、IGPI弁護士法人代表弁護士
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ベンチャー・ファイナンスのルールとは、投資契約の主要条項や関係法令の知識といった狭義のルールだけを指すのではない。ベンチャー・キャピタルの行動原理や数字の相場観といった暗黙知も含まれる。

専門的な実務知識にも答えを用意

本書は、これらベンチャー・ファイナンスのルールを余すところなく網羅する。投資契約の頻出条項はタームシートのサンプルに基づき、2つの章を割いて逐条的に解説されている。しかも単なるtipsの羅列ではない。ベンチャー・ファイナンスの実務で生ずるハードケースを取り上げ、それに著者なりの回答を準備している。

例えば、「convertible noteの連続発行による投資家持分の希薄化と、創業者の事業継続のインセンティブとの間にはどのような関係があり、どう折り合いをつけるべきか」といった極めて実務的な問いに対し、本書は答えを用意しているのである。

しかしながら、convertible noteやconvertible equityを実際に発行した経験がなければ、上記のような問題をそもそも問題とすら思わないであろう。そこで、ベンチャー経営者にとっての本書の使い方はこうだ。

まずは、一度通読する。この時点ですべてを理解しようとする必要はない。「なんとなくこんなことが書いてあった」と頭の中にひっかかりを残せる程度にざっと目を通せばよい。記憶喚起のためのアンテナ作りが目的だ。

個々のテーマを精読するのは、日々の経営の中で、また、資金調達の場面で、リアルな課題に直面したときだ。具体的な問題意識を持ったタイミングで、記憶のアンテナを頼りに関連するセクションを見つけ該当テーマを精読するのだ。したがって、あなたが起業家であり続ける間は、本書は座右に置かれ続けることになるはずだ。

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