「疑いの目」でアイデアを出すピラミッド図の力 視野を広げ、本質を突きとめる論理的思考法
さらに「なぜ」を追求すると、営業にインセンティブがないのは、その会社がもともと製造・開発にリードされており、営業は軽視されてきたという組織風土が浮かび上がり、「営業力がない」という問題の本当の原因が「組織風土」にあり、全社的な改革が必要だという結論に達するのだ。
このように「なぜ」をくり返すと、そのたびに異なる視点が持ち込まれ、その問題の原因が、実は、時間的にも空間的にも離れた場所に端を発していたということを突きとめることができるのである。
視野を拡大するための思考法
ここまでの図の使い方を見ると、1つのことを複数の要素に分けて、ピラミッドの下にいけばいくほど、具体性が増し、細かくなっていくように感じるだろう。だが「細かくなる」というのは固定観念だ。ピラミッドは「具体性があり、かつ視野を拡大する」という方向にも使うことができる。
例えば、「売上高」は、「数量」と「単価」という細かい2つの要素に分解することもできる。だが、これを「市場規模」と「シェア」という2つの要素に分解してみるとどうだろう。自社の売上高よりも、市場規模はもっと大きく幅広いということをイメージすることができ、まだまだ展開の余地があるという展望を持って、事業を捉えることができるのではないだろうか。
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