「疑いの目」でアイデアを出すピラミッド図の力 視野を広げ、本質を突きとめる論理的思考法
「考える」ことは意外に難しい。本質的な解にたどり着き、より素晴らしいアイデアや、効果的な問題解決策を導き出すために「よく考えよう」「深く考えよう」とは言われるが、具体的にどうすればよいのか。「地頭」力を鍛えることも重要だが、より即効性を求めるには、「図頭(ずあたま)」を使うアプローチがあるという。つまり「図を描いて考える」ことでモノゴトを抽象化して捉えなおすということだ。
外資系の事業会社やコンサルティングファームを経て、ビジネススクールで教鞭をとる平井孝志氏が上梓した『武器としての図で考える習慣:「抽象化思考」のレッスン』には、人生設計から経営戦略まで、いかに「図」を使って問題を見つめるかという事例が多数掲載されている。その1つ、「ピラミッド」の使い方を紹介する。
「ピラミッド」の図で論理を広げる
あなたは新規事業開発の責任者で、新規事業候補AにGOサインを出すかどうかの判断を迫られているとする。うまくいきそうに見えるが、もっと緻密に精査したい。意思決定の精度を高めたいが、どうすればよいのか?
こんなときには、論理の幅を広げてくれる「ピラミッド」の図を武器として使うことが有効だ。
まずは紙の上に四角い箱を描く。一番上の箱の中には、今考えなければならないテーマ「A事業の成功」と書き込み、その下に3から5個程度の箱を描いて、テーマに関する大事な要素を書き出す。
一見、単純な図に見えるが、これが奥深いピラミッドの図を使うときは、要素を書き出してからそれを箱で囲むのではなく、先に空の箱を描いてから、それを埋めるために考えるというのがミソだ。
空の箱を埋めるために、強制的に思考を回転させることになり、事業を多面的に見る効果が得られるからである。
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