「疑いの目」でアイデアを出すピラミッド図の力 視野を広げ、本質を突きとめる論理的思考法
ピラミッドで考えるということは、複雑なものを具体的な要素に分解することで、それを理解しようとするアプローチでもある。新規事業にはどんな要素が含まれるのか、それを考えるためには、水を水素と酸素に、さらには電子と原子核へと分解するように、「モレなくダブリなく」分析し、解明しようとする科学的な思考が必要なのだ。
そのような思考の手助けになり、課題をビッグ・ピクチャーとして把握しながら、ロジカルに「正しい答えや理解」を目指せるのが、ピラミッドの効用なのである。
ここでは、「十分な顧客価値を生み出しているか」「当社の資源・能力で遂行可能か」「競合他社に対して中長期的に差別化を維持できるか」という3つの要素を思いつき、それを下の箱に書き入れた。3つともクリアしているなら新規事業AはGOとしてもいいのだが、さらに慎重を期すために、ここからさらに思考の幅を広げていこう。
「ひねくれた目」で視野狭窄を打破する
やり方は簡単だ。ピラミッドの箱を増やす。それだけである。試しに3個から5個の空の箱を追加してみよう。そして、それらの箱を埋めるべくアイデアをひねり出す努力をする。もちろん、ピラミッドとにらめっこをして、すでに挙げている要素とはダブらせないという制約と戦わなければならないのだが、その戦いこそが、見落としていた、あるいは、おざなりにしていたが実は重要だった要素をすくい上げることにつながっていく。
だが、そもそもすぐに見いだせなかった要素を、どのようにひねり出せばよいのか。そんなときは、思考の切り口として、経営学やマーケティング理論に登場するフレームワークを利用してみるのもいいだろう。
3C(Customer=顧客、Company=会社、Competitor=競争)や、4P(Product=製品、Price=価格、Promotion=販促、Place=流通)など、ヒントになるものを引っ張り出し、頭の中の引き出しを開け、持ちうる知識を総動員してみるのだ。
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