「疑いの目」でアイデアを出すピラミッド図の力 視野を広げ、本質を突きとめる論理的思考法

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引き出しが少ない人や、そもそもフレームワークに当てはまらない課題について考える場合は、ものごとを健全に疑う姿勢を持ち、「ひねくれた目」でピラミッドを眺めてみるといい。

人は、今見えていることだけに囚われて、新たな視点・視座・視野を持てない「視野狭窄」に陥りやすい。そんなときは、意地悪に点検する気持ちで、目の前の課題を、横から、上から、下から、裏からと視点を変えて眺めてみるのだ。

言い換えると「別の立場からは、どう見えるか」ということでもある。この新規事業は競合他社にはどう見えるのか、営業には売り切るだけの能力があるか、顧客は何に満足しているのか、費用対効果の面ではどうか、この事業を展開することで自社の開発能力アップにつながるのか。これらを箱の中に埋め込んでいくことで、最初に描いたピラミッドよりもかなり論理を広げられたことに気づくだろう。

「なぜ」をくり返して「真因」を突きとめろ

ピラミッドは、論理構造を明確にして、広げるだけでなく、論理を深め、ものごとの「真因」を突きとめるためにも使える。そのためには、ここが怪しい、ここが弱いと思う要素を取り上げて、それを起点に「なぜ」を最低でも5回くり返して深掘りしていくというアプローチが有効だ。

例えば、新規事業展開をするのはよいが、「営業力がない」という懸念材料があるとしよう。まず、それをピラミッドの頂上に置き、なぜかを考える。すると「顧客のことをよく知らないから」という理由が浮かび上がった。

ではそれはなぜなのか、さらに深める。すると「顧客のことを知って売り上げを増やしても、給与が変わらないから」という、それまでスポットを当てていなかった営業部の心情が判明し、成功報酬のようなインセンティブがないことが関係しているとわかった。「営業」の課題が、「人事」の問題へとスライドしたのだ。

出所:『武器としての図で考える習慣』
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