「伊能忠敬の働き方」が主流になる老いなき世界 「必要とされる仕事」が激変する世界の生き方

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宮本:人間が地球に与えるダメージも大きくなるでしょうし、「ブルシット・ジョブ」と呼ばれる意味のない仕事を「まだ何十年もやらなければならないのか」と感じる人も増え、格差もさらに広がってしまうのではないかと。120歳まで生きられる社会になると同時に、「120歳まで生きたくなる社会」を作らなければならないように思いました。

岡橋惇(以下、岡橋):僕も、楽しみに感じる一方で、宮本さんのように数々の問題が出てくるのではないかとも感じました。この本から連想したのは2016年に大ベストセラーになった『ライフシフト』です。

佐々木康裕(ささき やすひろ)/LOBSTERRメンバー、ビジネスデザイナー 。クリエーティブとビジネスを越境するビジネスデザイナー。デザイン思考のみならず、認知心理学や、システム思考を組み合わせた領域横断的なアプローチを展開。デザインリサーチから、プロダクト・事業コンセプト立案、未来シナリオ作成等を得意とする。Takramでは、家電、自動車、通信、食品、医療、素材など幅広い業界でコンサルティングプロジェクトを手がける。大手家電メーカーのデザインアドバイザリー、ベンチャーキャピタルMiraiseの投資家メンターも務める(写真:筆者提供)

2007年生まれの人の50%以上が107歳まで生きる時代になっているということが書かれた衝撃的な本でしたが、『ライフスパン』は、それについて医学的な観点からさらに事細かに示されていて、改めて自分自身のことや社会の未来のことを長期的な視点で考えさせられました。

佐々木:これまでの一般的な生き方は、大学で4~6年間学び、その資産を使って職に就き、同じ仕事を30~40年間続けるというものでしたよね。しかし、健康寿命が長くなれば、最初に学んだことが無意味化する可能性が高くなります。今後は働きながら学び、学びながら働くというグラデーションを繰り返しながら人生を続けることになるでしょう。

僕自身、大学で1つのことを学んでキャリアを始めて、そして、1度学び直してから、いまの仕事に就いていますが、120歳までとなると、これからまだ5~6サイクルは追加で学び直す必要があるのかなと想像しました。

岡橋:そこを「あと5~6回も、また学習しなければならない」と考えるとつらくなりますが、長い人生だからこそ得られる自由があると考えて楽しむこともできますね。

コロナ禍でも、最初はずっと家にいなければならないとストレスに感じていたけど、リモートワークが普通になると、新しいライフスタイルやワークスタイルも生まれました。

訪れる変化にどう対応するか

佐々木:能動的に自分のキャリアを変える場合と、世の中の大災厄によって強制的に変えなければならなくなる場合とがありますね。今回は新型コロナですが、今後は気候変動の影響も受けるでしょう。毎年のように山火事や干ばつが起きて、もう住めなくなると言われている地域も世界にはあります。

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