「障害者の在宅勤務」あまりにもシビアな実態 コロナ禍で導入進む中で、欠けている視点とは

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ジョブサポートパワーの小川社長は障害者雇用を推進し、障害の有無にかかわらず、働きやすい環境整備に力を入れる(写真:ジョブサポートパワー)

同社の取り組みにおいて注目すべきは、「入社3カ月間の研修とその後のフォロー」「配属会議とチーム編成方針」だ。

「入社3カ月間の研修とその後のフォロー」はまず、入社時に性格や協調性、技能、障害の程度、特性、仕事をする際の課題、本人の考え、希望を丁寧に観察・聞き取りをする。特に協調性の有無を重視している。次にグループに配属後、人間関係でトラブルが生じる可能性がある場合、本人にその旨を伝え、言動を改善してもらう。

改善の余地がないときは3カ月終了後、研修を延長するケースもあるという。小川社長は「研修をルーチンワークにして、終了後にそのまま機械的にグループに配属しないことを大切にしている」と話す。多くの職場では、研修終了後に機械的にグループに配属しているが、ジョブサポートパワーの場合、チームワークを重視するがゆえに、安易に配属しない。

メンバー構成で重視する技能

「配属会議とチーム編成方針」の会議はまず、研修を終えた新入社員を自らのグループに受け入れたいと希望するリーダーが集い、センター長を交え、話し合う。

ジョブパワーサポートでセンター長を務める上田玲奈氏。予算作成管理から売り上げ管理、全社員の勤怠管理などをを担当する。2013年の入社時からメンバーと仕事の進め方などについて話し合い、障害者が働きやすい環境を作る(写真:ジョブサポートパワー)

具体的には新入社員の障害の程度や特性、性格、技能を共有する。そのうえで、正式に受け入れたいリーダーは申し出る。複数の場合、調整し、いずれかのグループに配属する。受け入れを願うリーダーが1人もいない場合、研修を延長している。受け入れるリーダーが現れるまで続けるが、通常その期間は短い。

グループメンバー編成の際に重視するのが、技能だ。リーダーは本人がどのような仕事をどのレベルでできるのかを丁寧に確認する。年齢、性別は、参考程度。「技能をもとに編成をしないと、後々、トラブルになる。優れた技能を見いだし、伸ばしていくことが、障害者雇用を安定化させるために重要だ」(小川社長)。

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