「在宅勤務」有無で株式パフォーマンスに決定的差 出社に戻る流れだが、在宅勤務は良かったのか
電気自動車大手テスラのイーロン・マスクCEOが「最低でも週40時間はオフィスで働く必要がある。さもなければ、社を去らなければならない」と、従業員にメールで指示したと今年5月に報じられ話題になりました。
コロナ禍でわが国でも在宅勤務が導入された企業も少なくありません。しかし世の中がコロナ禍から回復するなかで、在宅勤務から出社勤務に戻る流れとなっています。テスラのように世界有数の革新的な企業でも、1日8時間の5日分に相当する毎週40時間の出社勤務が指示されました。またアメリカのハイテク企業大手のアップルやグーグルも出社勤務が再開する流れになっています。
在宅勤務は、企業にとって、従業員にとって、良いのかそうでないか、さまざまな議論がされています。企業や従業員にとって良いものであれば、経営が上手く回ることで業績が良くなり、企業価値が向上して株高になると考えられます。そこで今回は在宅勤務制度がある企業の株式パフォーマンスを検証してみました。
在宅勤務制度がある企業の株式パフォーマンスは?
在宅勤務と出社勤務を合わせた働き方は、「ハイブリッド勤務」と呼ばれます。週に5日で勤務する企業のケースでは、週に数回の在宅勤務上限が定められるケースが見られます。
アップルやグーグルも出社勤務再開の流れですが、ハイブリッド勤務を適用しています。アップルは9月5日から、コーポレート部門の従業員は少なくとも週3日の出社勤務に戻すと報じられました。グーグルも同様で、4月から週3日の出社勤務が行われています。こうしたハイブリッド勤務も、在宅勤務制度が“ある”のか、それとも“ない”のかで企業を分けると“ある”に該当します。
それでは次の図で、実際の在宅勤務制度がある企業の株式パフォーマンス結果から紹介しましょう。分析はコロナ禍になる前に在宅勤務制度をすでに取り入れていた企業か、そうでない企業かで分類しています。コロナ禍の状況では政府からも、感染拡大防止に向けて在宅勤務の取り組みの要請がありました。そのため“受動的”に在宅勤務制度を取り入れた企業も少なくありません。
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