コロナ禍で入社した数千人の社員は、その多くがいまだオフィスに足を踏み入れていないというグーグル。コミュニケーション体制や生産性をどう維持しているのか。
健康志向の料理やスナックが無料で食べ放題、スポーツジムやマッサージのサービスも完備――。豪華なオフィス環境で知られるのが、アメリカのIT大手グーグルだ。だが、コロナ禍で全世界14万人の社員が在宅勤務となり、同社にとって未経験の働き方を強いられている。
オフィスを充実させてきたのは、社員同士の対面コミュニケーションを重視していたからだ。自分のデスクに座っているだけでなく、休憩スペースやカフェなどで同僚と気軽に意見交換することで、新たなアイデアが生まれると信じられてきた。
アメリカなど各国で新型コロナウイルスの感染者が再び増加に転じたことを受け、グーグルは現状、来年1月まで原則在宅勤務を続けることを決めている。
イノベーションを生むための社内文化を在宅勤務でどう維持するのか、生産性は下がらないのか。1999年にグーグルに入社し人事部門を立ち上げ、現在は職場環境や社内文化の醸成を統括するチーフ・カルチャー・オフィサー(最高文化責任者)を務めるステイシー・サリバン氏に話を聞いた。
生産性だけを見れば機能しているが
――コロナ禍の在宅勤務でグーグル社員の働き方はどう変わりましたか。
このコロナ禍をうまく乗り切るために学んだことは多くあるが、その1つは、どんな場所で働くかではなく、どんな人と働くかが重要だということだ。
グーグルでは日々の担当業務を超えてさまざまな取り組みをすることを社員に奨励している。コロナ禍においても、オフィスと同様の生産性を保つためにどうすればいいか、チームを超えて皆が助け合っている。
――在宅勤務になったことで、生産性は実際にどう変化したのですか。
生産性やコラボレーションのしやすさに関しては、コロナ禍のさまざまな要因で上下したように思う。もちろん社員が物理的に集まり、一つの部屋で対面でコミュニケーションしたほうが、意見交換したり理解し合ったりしやすく、仕事を簡単にこなせるのは間違いない。
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