史上初の3冠馬3頭激突!熱気高まるジャパンC 世紀の大一番にネット上では早くも論戦

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アーモンドアイは史上最多の芝GⅠ8勝を懸けて11月1日に東京競馬場で行われた天皇賞・秋に参戦した。課題のスタートを決めて好位で流れに乗ると、直線外から堂々と抜け出した。ゴール前でフィエールマンとクロノジェネシスが迫ってきたが何とか振り切った。

馬上のルメール騎手は両手の指でGⅠ8勝を意味する「8」のポーズをつくったが、レース後のインタビューで「しゃべれない」と声を詰まらせた。GⅠ8勝目の新記録のプレッシャーがあった。

「今日は日本一になりました。GⅠに簡単なレースはない。いつも難しい。今日はミスをしなかった」と振り返った。「GⅠ8勝は本当にすごい。20年後もファンは今日のことを覚えていると思う。日本競馬にとって特別な1日になった」と誇らしげに語った。

国枝調教師は「七より末広がりの八で良かった」といつものようにひょうひょうと笑わせた後、「ホッとしている。GⅠ8勝の大きな勲章ができてよかった」と笑顔を見せた。国枝調教師は調教助手時代にシンボルルドルフの強さを目の当たりにした。ルドルフが3冠馬となった1984年にドバイ奨学生制度で欧州競馬に接し、海外競馬への挑戦を夢見た。

アーモンドアイは海外GⅠ制覇とルドルフ超えを実現した。「ルドルフはすごい馬だったが、さらにその上行った。勝ち続けるのはすごいこと。アーモンドアイは夢をかなえてくれた」(国枝調教師)。

ノーザンファーム天栄の木實谷雄太場長は、早くから同じノーザンファーム生産のGⅠ7勝牝馬、ジェンティルドンナを上回る目標を掲げていた。「祈っていた。勝てて本当によかった。馬が大人になったし競走馬として完成してきた」と安堵の表情で語った。

現役最後のレースになるアーモンドアイ

香港国際競走にも登録しローテーションが注目されたが、11月12日に国枝調教師がノーザンファーム天栄で状態を確認し、シルクホースクラブの米本昌史代表と協議して決断、ジャパンカップ参戦を発表した。

国枝調教師はシルクホースクラブのツイッターの動画で「今日ノーザンファーム天栄で見てきた。馬の状態を確認して予定通りジャパンカップに行く。いい競馬ができると思うので頑張っていきたい。ジャパンカップで競走生活を終えることも決まった。全力投球していきたい」とコメントした。「2頭の3冠馬も使う。現役最後のレースはすごい競馬になる。楽しみだね。いい形で終わらせたい」と意欲を語った。

アーモンドアイは2018年のジャパンカップを2400m芝2分20秒6という驚異的な世界レコードで制した。勝てば史上2頭目のジャパンカップ2勝目となる。芝GⅠ9勝は自身の記録を伸ばし、ドバイターフを含めた生涯獲得賞金は19億円を超えて歴代1位となる。有終の美を飾ることができるか。

国枝調教師は「天皇賞・秋でGⅠ8勝の記録をつくったので気持ちは楽。自然体で臨める。ここで結果を出していい形で次の大きな仕事である繁殖へ向かうことができたら最高」と悠然と構える。

さらに「3冠馬3頭の対決で盛り上がることはコロナで世間が沈んでいる中で、明るい話題を届けられる意味でも素晴らしい。ダビスタ(ゲームソフトのダービースタリオン)のようなバーチャルな世界ではあることでも、これは現実だからね。

競馬だけでなくあらゆるスポーツ、エンターメインメントの世界でもこれだけのレベルで実現することはないと思う。でも、自分でプレッシャーをかける必要はない。あくまで相手がどうこうではなくアーモンドアイの競馬をするだけ」と大一番の盛り上がりへ期待感を語った。

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