史上初の3冠馬3頭激突!熱気高まるジャパンC 世紀の大一番にネット上では早くも論戦

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10月18日に京都競馬場で行われた秋華賞でデアリングタクトは直線堂々と抜け出してきた。追い込んだ桜花賞、オークスとは違い、直線の短い京都の内回りコースを意識して松山弘平騎手が見事な騎乗を見せた。春の無観客とは違い、京都競馬場は10月10日からファンの入場を再開していた。

観衆は拍手で後押しし、松山騎手はウイニングランでファンに向けて3本の指を突き上げて3冠をアピールした。牝馬3冠を無敗で制したのは初だ。

「無敗の3冠が懸かっていたのはすごい重圧だった。でも、馬を信じてやるだけと思った」と松山騎手は振り返った。「アーモンドアイ、コントレイル、ほかにも強い馬はいるが、引けは取らない競馬をしてくれると思う」と手応えを感じていた。

管理するマジックキャッスルが2着に敗れた国枝調教師は、杉山晴調教師に「おめでとう。ジャパンカップで待ってるよ」と祝福し、杉山晴調教師も「はい」と答えた。お互いにアーモンドアイの存在を意識した会話だった。デアリングタクト陣営は状態を見極めて菊花賞の3日後となる10月28日に正式にジャパンカップ参戦を表明した。

コントレイルは初めて全力で走った?

10月25日に京都競馬場で行われた菊花賞は断然1番人気となったコントレイルが予想外の苦戦を強いられた。コントレイルにとって3000mの距離は本質的に長い。無敗の3冠がなければ3000mの菊花賞に出走することはなかったかもしれない。手の内に入れていたはずの福永祐一騎手もコントレイルが折り合いを欠いたのは誤算だった。

クリストフ・ルメール騎手がアリストテレスで徹底的にマークしてきた。直線では2頭のマッチレースとなったがコントレイルは底力で抜かせなかった。矢作調教師は「初めて全力で走ったかな」と苦笑いした。福永騎手は「正直うまく乗れなかった。馬に勝たせてもらった。コントレイルには頭が下がる」とコントレイルの底力と勝負根性に感謝した。

決して大きくないがゴール前では声援と悲鳴が交錯した。「確かに聞こえた。最後の直線でまずいかなと思ったときにファンの声が飛び込んできた。最後まで馬を信じなきゃと思った」と福永騎手は歓声の後押しを振り返った。

激戦の直後には「ジャパンカップを考えていたが慎重に考える。コントレイルは日本競馬の宝。無理はさせられない」と言葉を選んだ矢作調教師。しかし、11月5日に鳥取県の大山ヒルズを訪れて状態を確認し、ノーズヒルズの前田幸治代表と協議してジャパンカップ参戦に踏み切った。

矢作調教師は「実際に見て馬体の張りもいいし完全に回復していた。回復力の速さがすごいし何の心配もなかった。デアリングタクトが参戦するしファンの盛り上がり、競馬の盛り上がりを考えてもオーナーと相談して決断に至った」と説明。この時点で無敗の3冠馬2頭の激突が決まった。

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