日経平均が来年2万8000円になる条件とは何か 今は「青天井」、もはや「売りの相場」ではない
現段階で、上院では共和党が少なくとも50議席をとることが確定的だ。年明けに行われるジョージア州での決選投票(2議席)の結果いかんだが、共和党はこのうちの1議席でもとれば上院の過半数を死守することになる(民主党が2票取れば50:50で並ぶが、その場合は上院議長を務める民主党のカマラ・ハリス副大統領の1票で賛否が決まる)。
そうすれば「トリプルブルー(バイデン候補勝利、上院民主党過半数獲得、下院民主党過半数維持)」ではなくなり、「ねじれ(バイデン候補勝利、上院共和党過半数維持、下院民主党過半数維持)」が発生する。結果的に、財政投資の金額は小さくなってしまうかもしれないが、金利上昇を抑えることになるので、株式市場にはポジティブだ。
よって、今後の株式市場での物色対象は上院がどうなるかによる。すでに短期的な株価見通しは、11月9日や16日のアメリカ株式市場での株価急騰で、当面の好材料を織り込んでしまっている可能性が高い。実際、日経平均株価2万6000円前後では利食いが出ている(中期的な株価見通しは後述)。
バイデン氏は市場とどうコミュニケーションを取るのか
現職のドナルド・トランプ大統領は、SNSを駆使して、マーケットをこれまで散々驚かしてきた。大統領令も連発していた。
バイデン氏になれば、それがなくなる。つまり、マーケットは予測しやすくなるということだ。例えば、選挙公約通り、来年1月20日の大統領就任時には「パリ協定」復帰(再生可能エネルギーへシフト)、「WHO」再加入準備をすることは容易に予測できる。
また、バイデン氏は上院の長老として「積み上げタイプの長老」なので、事務方や専門家に任せ、そこから出てきたことを粛々とやるように見える。だからこそ、閣僚や専門委員会の露出度が上がるが、そこの誰がトップになるかで、方向性は自ずと変わってくるだろう。
そのほか、今後注目すべきポイントとしては、新型コロナウイルスへの対応だ。ファイザーとビオンテック社、さらにはモデルナ社が開発中のワクチンの治験で「9割超効果あり」との報道が株価を押し上げたが、バイデン氏は経済を犠牲にしてでもコロナを抑えていくのではと思われている。このように、引き続きワクチン開発等の動きがどうなるかも確認していく必要がある。
また、民主党内の左派バーニー・サンダース氏などとの関係には注意が必要かもしれない。
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