日経平均が来年2万8000円になる条件とは何か 今は「青天井」、もはや「売りの相場」ではない

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一方、 日本への影響で気になるところはあるか?もし長期金利が現下の約0.9%を超えて「トリプルブルー」によって金利が上がったら、企業への影響は大きくなる。投資が抑制される懸念があるからだ。

これによって、成長株が下がりやすくなる。実際、金利上昇過程では、日本の小型成長株が多く上場する「東証マザーズ市場」も変調をきたしてきた。また、未上場のベンチャー企業にも資金が回りにくくなる。

では、悪化した米中関係はどうなるか。これは恐らく、何も変わらないだろう。今回、トランプ大統領は、中国がアメリカに輸出する際の関税を大幅に引き上げた。これで、バイデン氏が引き下げたら弱腰だと言われるように、だ。

そうはいっても、上院も下院も議会は民主党・共和党ともに、中国に対しては強硬派が多数を占める。よって、本格的な「米中冷戦」が続く可能性が高い(逆に「冷戦」になるため、戦争はないと見ているが、地域紛争はあるかもしれない)。

もっともバイデン氏を含め、実は民主党のほうがトランプ政権よりも、中国に融和的な動きを過去にはしていた。そういう意味においては、日本はこれから警戒する必要もありそうだ。これまで、主にアメリカの民主党政権から、日本は「ジャパン・パッシング」「ジャパン・バッシング」を受けた苦い過去がある。

アメリカの為替政策にも注意

また、足元の為替を見ていても、一時1ドル=103円台に入ったように、やはりアメリカのドルを安くして、そして輸出競争力の向上とともに、輸入で安いものが入ってこないようにさせる政策に見える。

足元の企業決算は、エレクトロニクスに加え、自動車など製造業のモメンタムの回復が見えてきた。それはつまり、日本の輸出産業に関しては、景気が良ければいいが、厳しい側面があることも指摘したい。

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