日経平均が来年2万8000円になる条件とは何か 今は「青天井」、もはや「売りの相場」ではない
アメリカの大統領選挙は、現職のドナルド・トランプ大統領が依然敗北を認めていないものの、すでに民主党のジョー・バイデン候補の当選が確定的だ。
市場はバイデン氏の経済対策のどこを評価したのか?
一方、日経平均株価は大統領選挙の約1カ月前10月9日の2万3700円台をピークに「リスク警戒モード」に入り、選挙直前の10月30日に2万2900円台で半ば「フライングぎみ」に底値をつけた。
だが、その後は、マーケットにとっての今年最大のリスクイベントを通過したこと、懸念していた大統領選挙の長期化による不透明感は払拭されたこと、現地時間11月7日夜にバイデン氏が勝利宣言したことなどから、急騰を続けている。足元の日経平均株価は、2万6014円(11月17日の終値)まで急騰している。
バイデン氏の経済政策はどんなものになるのだろうか。わかりやすいところでいえば税制だ。法人税率を現行の21%から28%にするという増税政策である。それに加え、富裕層についても、資産取引課税を強化すると打ち出している。その増税分で、財政政策にお金を当てようとしている。
また、環境政策も従来とは大きく異なる。バイデン氏は2050年までの温室効果ガス排出量を実質ゼロにするとしている。また、クリーンエネルギーの推進など、環境インフラ関連で就任第1期の4年間に2兆ドル(約210兆円)の巨額投資をしてアメリカを復活させるという。
市場は、この投資金額が大きいことから「増税分のマイナスを打ち消し、景気が上向く効果のほうが大きくなるのでは」とポジティブに捉えているように見える。
もし大統領も上院も下院も民主党が3つとも勝てていたら、「4年で2兆ドル」は可能だったのかもしれないだろう。ただ、お金がない中でインフラ投資をすることになると、長期金利が1%(足元は一時0.97%)を大幅に上まわってしまうかもしれない。そうなると、景気の下押し圧力になり、株式市場からも債券市場からも資金が流出してしまう。つまり、株式市場にとってはネガティブである。
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