「地頭力を鍛える」ためのフェルミ推定の活用法 例題:日本全国の道路の合計距離は何㎞か?
次の切断の「切り口」の選択では、例えば、道路の長さの算出ではいくつかの仮説が立てられます。解法例のように単位面積での距離から考えることもできるし、道路全体の面積を平均の幅で割るということもできるかもしれません。そのような切り口のオプションを複数出して、最適と思われるものを選択していきます。
続いて分類(足し算の因数分解)では、全体をもれなくダブりなく適切なセグメントに分けていきます。道路の例題で言えば、高密度(市街地等)と低密度(山間部等)に分けることがこれに相当します。狭義の「フレームワーク発想」ともいえ、これを効率的に行うためのツールが3Cや4P等々のフレームワークです。
次に各セグメントを因数分解(掛け算の分解)します。ここでは、複雑な全体像を取り扱いやすいサブ要素に展開できる力が必要とされます。
最後がボトルネック思考です。因数分解ではボトルネックとなる因数の精度によって全体の精度が決まります。一部だけを詳細化したところで、最終結果はいちばん不確かな情報量のところがボトルネックとなります。それを考えれば、計算しやすいところだけを詳細に計算しても意味がない、ということです。
「単純に考える」抽象化思考力
抽象化思考力とは、以下の3つのステップによる思考パターンのことです。
・抽象レベルで一般解を導き出して
・それを再び具体化して個別解を導く
では、フェルミ推定をどう活用して、抽象化思考力を鍛えるか。
キーワードは、以下の3つです。
・枝葉の切り捨て
・アナロジー(類推:ある事象を類似のものから説明すること)
そもそもフェルミ推定自体が「一見つかみどころのない事象を単純化して計算を容易にし、概数を算出する」という抽象化思考そのもので、例えば「道路は格子状に配置されている」とモデル化、単純化して考える発想が求められます。
いろいろなパターンを考えすぎて時間切れになってしまうことを避けるために「いかに枝葉を切り捨てられるか」も重要です。
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