「地頭力を鍛える」ためのフェルミ推定の活用法

例題:日本全国の道路の合計距離は何㎞か?

思考力を鍛える地頭力トレーニングのツール「フェルミ推定」の活用法を解説(写真:ismagilov/iStock) 
今、「自分の頭で考える」ことの重要性がかつてないほど高まっています。コロナ禍のような、発生する前には「想定外」だった問題は、今後も次々と起こるでしょう。AIに奪われる仕事がある一方で、人間にしかできない仕事、思考があり、その価値はこれからも高まり続けます。『地頭力を鍛える 問題解決に活かす「フェルミ推定」』によって、「地頭力」という言葉を世の中に広めるきっかけをつくった細谷功氏が、改めて、この本で伝えたかった地頭力とその鍛え方の要点について解説します。

「結論から」「全体から」「単純に」考える

地頭力をシンプルに表現すると、「結論から」「全体から」「単純に」考える3つの思考力になります。この3つの思考力は訓練によって鍛えることができるものであり、地頭力を鍛えるための強力なツールとなるのが「フェルミ推定」です。

『地頭力を鍛える 問題解決に活かす「フェルミ推定」』(書影をクリックすると、アマゾンのサイトにジャンプします)

インターネットによる情報検索が発達し、世の中のありとあらゆる情報が一瞬にして入手できるようになりました。その結果として、情報量という観点からは専門家と素人の差がほとんどなくなってきています。

そして膨大な情報量そのものが、「コピペ」するという姿勢で使っている場合は人間の考える能力を退化させ、思考停止を招く可能性があります。AI(人工知能)の進化、発展によって、「情報を処理する」ことによる「問題解決」の多くも、AIが人間の代替をしてくれるようになりつつあります。

これから本当に重要になってくるのは、インターネットやAIでは代替が不可能なエリア、膨大な情報を選別して付加価値をつけていくという、本当の意味での創造的な「考える力」です。この基本的な「考える力」のベースとなる知的能力を、私は「地頭力」と定義しました。

「地頭」(じあたま)という言葉は従来コンサルティング業界では頻繁に用いられていましたが、2007年の出版時点では皆、曖昧な定義で用いていたので、それを明確に表現したということです。

ビジネスコンサルタントとして、若手コンサルタントと一緒にさまざまなプロジェクト活動を行う中で、短期間で成長していくコンサルタントに共通の思考回路、「地頭力」が存在することに気づきました。

次ページ「地頭力」を鍛えるには?
関連記事
トピックボードAD
キャリア・教育の人気記事
  • 実践!伝わる英語トレーニング
  • 最新の週刊東洋経済
  • ポストコロナのメガ地経学ーパワー・バランス/世界秩序/文明
  • ソロモンの時代―結婚しない人々の実像―
トレンドライブラリーAD
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
トレンドウォッチAD
消える仕事、残る仕事<br>1億人の「職業地図」

コロナ、AI、脱炭素――。私たちの雇用を取り巻く環境が激変しています。今後、どんな職業を選ぶかは死活問題に。2030年に向け「消える仕事」「残る仕事」36業種、「会社員の価値」がわかる9職種を掲載。本特集が職業を改めて考える機会になれば幸いです。

東洋経済education×ICT