「地頭力を鍛える」ためのフェルミ推定の活用法 例題:日本全国の道路の合計距離は何㎞か?

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フェルミ推定の基本プロセスは、「アプローチの設定」→「モデルの分解」→「計算の実行」→「現実性の検証」です。このプロセスには、地頭力を駆使する場面が随所にあり、3つの思考力を鍛える地頭力トレーニングのツールとなります。

例題:「日本全国の道路の合計距離は何kmか?」

まずはこの問題にどのように対処するか、そのポイントを3点示します。

1. すぐに検索に頼るのではなく、知っている知識や情報だけでなんとかする
2. 正確性よりも「ざっくりと全体像を描く」ことを意識する
3. それでも「算出根拠」を明確にする

ざっくりと解法の一例を示せば、以下のようなやり方が考えられます。

・日本の総面積を推定し、それを(道路の密度が違う)都会と郊外に分ける(知っていればそのまま使い、知らなければ、東京―大阪間など知っている距離から日本を長方形で近似することで算出する。さらに東京―大阪間を知らなければ、知っている身近な区間の距離や新幹線の速度と時間等から・・・・・・と、とにかく粘って何とか算出する)
・単位面積(例えば1平方キロ)当たりの道路の長さを仮定する(例えば郊外は1㎞単位、都会は100m単位の「格子状」とする)
・上記より実際の数値を算出する
(出所:筆者作成)

このフェルミ推定をする際に「仮説思考力」「フレームワーク思考力」「抽象化思考力」の3つの思考力が駆使されているのです。

「結論から考える」仮説思考力

仮説思考とは、以下のような思考パターンのことです。

・いまある情報だけで最も可能性の高い結論(仮説)を想定し、
・つねにそれを最終目的地として強く意識して、
・情報の精度を上げながら検証を繰り返して仮説を修正しつつ最終結論に至る

では、フェルミ推定でいかに仮説思考力を鍛えるか。

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