眠れない夜にベッドでできる「瞑想」テクニック 感触を意識、呼吸を観察、1000から0まで数える

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例えば、自分が朝ベッドから出て、目覚まし時計を止めて、バスルームに入り、シャワーを浴び、朝食を食べ、瞑想をし、職場まで歩き、同僚と挨拶するところなどを思い浮かべます。3分ほどかけて、今日1日のことを、今この瞬間まで思い出します。たった数分では収まらないと思うかもしれませんが、これはあくまで1日のあらましですから、3〜4分以上かけてはいけません、何日かやれば、きっとそのスピードにも慣れるはずです。

心が1日を再現しているあいだに、いや応なく考えにとらわれ、はまりこみそうになることがあるでしょう。とてもうまくいった会議のことを思い出し、これからの可能性についてあれこれと考え始めるかもしれません。あるいは、上司と口論になったことを思い出し、その会話の今後への影響について心配し始めるかもしれません。初めのうちは、心がこうやってさまよいだすのは普通のことですが、夜のこの時間に新しいことを考え始めるのはいいこととは言えません。ですから、前と同じように、気がそれていたことに気づいたら、そっと心の中で上映されていた映画に戻り、中断したところから再開してください。

足先からスイッチを切るところをイメージする

ステップ3

今この瞬間までたどり着いたら、体の感覚に再び注意を戻します。左足の小指に意識を向け、そのスイッチを切るところをイメージします。小指に意識を集中しながら、心の中で「スイッチを切れ」「休め」と何度か唱えてもいいでしょう。筋肉や関節や骨などに、「翌朝までは必要ないから、今晩はスイッチを切ってよし」と許可するようなイメージです。隣の指、その次の指とこれを繰り返します。さらに指の付け根、土踏まず、かかと、足首、膝下……という具合に、足の付け根から腰まで同じように続けます。

右足でも同じことを繰り返す前に、「スイッチを切った」足とそうでない足の感触の違いをしばし確かめてください。こんなことをしても、本当に何かが起こるのか疑わしい、と思っていた人も、今はそれが感じられるはずです。右足でも同じように、足の小指から始めて、腰まで同様のことを繰り返します。

さらに、胴体から上がっていって肩から腕、手、指に下がり、次に喉、首、顔、頭と続けます。緊張がほぐれた感覚、もう体を動かす必要はなく、そのコントロールを手放したという感覚をしばし楽しんでください。ここまできたら、あとは好きなだけ心をさまよわせてやります。次から次に浮かぶ連想に任せ、眠りに落ちるまで好きなところに行かせてやりましょう。

次ページここまでに眠りに落ちてしまってもOK
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