トランプ大統領が「大善戦」した真っ当な理由 なぜマスコミも世論調査も再び間違えたのか

✎ 1〜 ✎ 37 ✎ 38 ✎ 39 ✎ 最新
著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

冷静になってみれば、確かにこのほうが株価にはプラスである。民主党新政権が増税したくても、上院共和党が反対するから通らない。しかも上院は閣僚の承認権があるから、極端な人事もつぶしてくれる。例えば民主党左派の中には、彼らのホープ、エリザベス・ウォーレン上院議員が財務長官になって、金融規制強化やGAFAの分割に乗り出すことを待望する声がある。トリプルブルーになったら、まさにそういうことが起きかねなかったのだ。

「バイデン新政権」としては悩ましいところで、あらゆることに上院共和党の反対を乗り越えねばならない。そこでどうするか。次期大統領が1973年から2009年まで超ベテランの上院議員であったという経験がここで生きてくる。

彼はいわば「国対族」の政治家だ。「バイデン法案」と呼ばれるような成果は1本もないけれども、人間関係を武器に、味方を増やして敵を減らして妥協を作り上げていく。確かに魅力には欠ける。しかし今どき流行らない中道穏健派の政治とは、まさにそういうものなのだ。そしてそのほうが、予見可能性が高くてマーケットには優しいはずである。

なぜトランプ大統領は善戦できたのか

さて本稿執筆時点において、一般投票数でバイデンさんが得たのは7300万超。これは2008年のオバマ候補を上回る史上最高得票である。このことを称賛する声は多い。

しかしそれを言ったら、トランプさんの6900万超の票も共和党候補者としては史上最高得票である。得票率の差もせいぜい3%以内である。2020年選挙は6割を超える高投票率となる見込みだが、2大政党はそれぞれに新たな票を掘り起こしたらしい。それではトランプさんが善戦した理由はどこにあったのだろう?

筆者の疑問に答えてくれたのは、ニューヨークタイムズ紙の出口調査である 。

次ページNYタイムズの気になるデータとは?
関連記事
トピックボードAD
マーケットの人気記事