トランプ大統領が「大善戦」した真っ当な理由 なぜマスコミも世論調査も再び間違えたのか

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このデータにご注目されたい。

●Which one of these five issues mattered most in deciding how you voted for president?(下記の5つの政策項目のうち、大統領選投票で最も重視したのはどれか?)

                  比率 トランプ バイデン
Racial inequality(人種問題)     20%    8%   91%
The coronavirus pandemic (コロナ)17%  14%   82%
The economy (経済)         35%  82%   17%
Crime and safety (犯罪と治安)    11%  71%   28%
Health care policy (ヘルスケア)   11%  36%   63%

このデータは「人種問題がいちばん大事だと答えていたのは20%。そのうちトランプ氏に投票したのは8%、バイデン氏91%」というふうに読む。

エッセンシャルワーカーの最重要事項は経済だった

ある程度予想されていたこととはいえ、人種問題やコロナ対策、ヘルスケアなどを重視した有権者はバイデン氏に投票し、経済や治安を重視した人はトランプ氏に投票した。そして今回の選挙において、有権者がもっとも重視した政策は経済(35%)であった。コロナ(17%)よりも人種問題(20%)よりもそっちが上であった。

新型コロナウイルスにより、全米ではすでに23万人が死んでいる。そしてBlack Lives Matter運動が全米で盛り上がった。メディア報道は、どうしてもそっちのほうに偏ってくる。しかし多くの人にとって、とくにリモートワークと縁のないエッセンシャルワーカーの人々にとって、いちばん大事なことは経済であった。そういう人たちは、バイデンさんよりもトランプさんを選んでいた。だからこその大接戦だったのである。

2020年はつくづく異例の年である。しかし”It’s the economy, stupid!” (阿呆、経済だけでいいんだ!)の金言は、今年の選挙でもしっかり生きていた。なるほど、だからブルー・ツナミは来なかったのか、と納得している次第である(本編はここで終了です。次ページは競馬好きの筆者が週末のレースを予想するコーナーです。あらかじめご了承ください)。

次ページここからは競馬コーナー。週末は伝統のG2ハンデ戦!
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