結果的に「独身」非常勤40歳男性が語る波乱人生 エリートコースから人生が一変した理由とは

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仕事もプライベートも順風満帆、子どもを作り、平和な家庭を築いていくはずだったが……(写真:jessie/PIXTA)
いつかは結婚するはずと思いながら、気づけば独身──。「仕事に生きる」「ひとりを謳歌する」と決めたわけでもなく、たまたま独身という男女は少なくありません。
結婚してもしなくても自由、そんな時代になりましたが、それでもやっぱり恋愛・結婚については、迷いも多く──。そんな男女に、ライターの松永怜さんがその“胸の内”を聞いていきます。

エリートコースを歩み始めたが…

白いワイシャツを着て姿勢正しく椅子に座り、物腰柔らかに語る杉村さん(仮名、40歳)。大勢で飲み会をするというより、図書館で本を読んだり、静かにコーヒーを飲んだりすることを好みそうな雰囲気だ。仕事は非常勤で臨床心理士として従事、副業として幼稚園の頃から続けているピアノを活かし、月に1、2件程度、知り合いから依頼を受けて作曲活動を行っている。

松永怜さんが独身の男女にインタビューしていく新連載です

学生時代から勉強はできた。中・高一貫の進学校に進み、大学もいわゆる“エリート”と言われる有名私立大学に現役で入学。

大学在学中にはバイト先で出会った1つ年下の大学生・智子さん(仮名)からプッシュが強く、流されるように交際が開始した。人生初の彼女となった智子さんだが、当時の印象を振り返ると、派手すぎず大人しすぎず穏やか。バイオリンが趣味で、交際中は喧嘩も一切なかったとのこと。

大学卒業後は、証券会社に就職。1年目で年収は500万を超え、3年目で智子さんと5年の交際を経て結婚した。仕事もプライベートも順風満帆、子どもを作り、平和な家庭を築いていくはずだった。

しかし、結婚生活は同居1カ月程度でセックスレスに。何となくそうなったのではなく、はっきり“しない”という意思が働いたという。

「専業主婦の彼女は掃除に無頓着でした。家はホコリがたまり放題、モノを片さずどんどん積み上げるので、同居後1カ月程度で床が見えなくなって……。結婚するまで実家暮らしで、母親が掃除もしていたようです。また、食事もかなり偏食で肉や魚が一切ダメ、食卓に並ぶのは麺類やサラダ、当時流行ったタコライスばかり。味噌汁もずっとお願いし続けて、出てくるのに2年かかりました」

味噌汁を飲むまで2年待ち。タコライスには罪がないが、白米の隣に並ぶ味噌汁も恋しい。

1人暮らしを経験していた杉村さんが家事を買って出たが、 “私の仕事を取られた気がする”と受け入れられず。「“子どもができたらちゃんとする”と言われましたが、浮気症の男性が結婚したらちゃんとするというのと一緒で、中身が変わらなければ意味がない。この人とは子どもを作りたくないと思いましたね」。助言をしても体調が悪いと流され、病院の受診を勧めても首を縦に振ることはなかったそうだ。

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