結果的に「独身」非常勤40歳男性が語る波乱人生 エリートコースから人生が一変した理由とは

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波乱万丈の人生を送ってきたが、現在は地方に拠点を移し、契約社員としてカウンセラー業務に就いている。

「面接を50回以上受けて、やっと就職が決まりました。たまたま求人が出ていた地域に親戚もいるし、勢いも手伝って引っ越そうと。今回は、今までのようにすぐ辞めてしまうこともなく、1年更新ですが継続して仕事ができています」

勤務先では10歳下の彼女、由紀さん(仮名)とも出会った。離婚後は恋愛から離れていたが、彼女を見て“告白せずにいられなかった”という。

「どっしりとしているというか、感情が安定している人です。自分が暴走しそうなときも声をかけてくれるし、一緒にいてとても居心地がよくて……」

将来は結婚も考えているそうだ。

彼女ができたから気持ちが安定したのか、杉村さんの気持ちが安定したから彼女に巡り合えたのか。

「後者ですね。自分自身の限界や、ここまでいったら壊れてしまうということがやっと理解できて、気持ちが穏やかになったときに彼女と巡り合えたんだと思います」

今までは人に相談したり弱みを見せたりすることができなかったという杉村さん。自分の感情を素直に吐き出せるようになったのは、自分自身の限界を理解できたこと、周りの人にもっと頼ってもいい、甘えてもいいのだと思えるようになったことが大きいという。職場の上司にあたる人が杉村さんと同世代になった影響か、自分の思いを話しやすくなったとも杉村さんは分析する。

「結婚はしたい」

現在の年収は約200万円。非常勤として働くカウンセラーのシフトは週3回程度に抑え、無理をして体調を崩さぬようセーブしているとのこと。楽曲提供の副収入が月1万円程度、ほかに障害年金から支給される金額を合わせて生活を送る。

由紀さんとの交際は約2年になり、杉村さんの事情はすべて話したうえで付き合っているそうだ。

「結婚はもちろん考えています。彼女が今30歳なので、出産を考えたら早く結婚したほうがいいんでしょうけど……」

結婚願望はあるが借金も莫大にある。カードローンの返済額は残り30万円程度、大学院の奨学金は700万円程度残っており、まだまだ道のりは長そうだ。

また、今でもふとしたときに、離婚や過去の記憶が蘇り、負のループに陥りそうになる瞬間もあるというが、それを凌駕するほど由紀さんとの関係が良好という。

40を過ぎてやっと満たされた日々を過ごしていると語る杉村さん。結婚するかどうかは決まっていないが、幸せの形は人それぞれだ。遠回りをしたかもしれない。しかし過去を振り返って内省し、今前向きに充実した日々を過ごしている杉村さんを温かく見守りたいと思った。

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松永 怜 ライター

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まつなが れい / Rei Matsunaga

東京生まれ。千葉育ち。理学療法士として医療現場で10数年以上働いたのち、フリーライターとして活動。WEBメディアを中心に、医療、ライフスタイル、恋愛婚活、エンタメ記事を執筆。 好きな場所は甲子園と神宮球場。地方大会から高校野球の応援に行くことも。そのほかライブ鑑賞、アクリル画を描くことが好き。

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