「超年下の女性」と結婚する男性は何が違うのか 「おじキュン現象」は婚活現場では起きていない

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Dさんは会社員でSE。年収600万円ほどありますが、自身のお母様の介護にもお金がかかっていることもあり、経済的に少し不安を抱えていました。この先、若い社員と肩を並べて定年までSEを続けることを考えると、心身ともにつらく感じてきたようです。

彼女は今までプライベートで60代の男性とおしゃべりしたことがなく、はじめのうちは「60代ってどうなんだろう」とそれほど乗り気ではありませんでしたが、実際に会って話していると、やはりその包容力に安心したのでしょうね。

婚活は、自分自身に向き合う活動です。自分はどうやって生きていきたいのか、未来予想図を描き、一歩引いて冷静に眺める作業が必要です。結婚に安心を求めていた人は、一歩引いてみたときに、心の安定は、経済の安定でもあると自覚する。そうすると、最初は「オジサンは嫌、5歳年上でも嫌」と言っていた女性でも、次第に「一回り上でもいいです。その代わり希望年収はプラス300万円」と変わります。

たとえ10年後に夫の介護が始まっても⋯

一方、年の差婚で気になるとすれば、介護問題でしょうか。60代以上の男性の場合、両親が80代、90代で存命の場合もあります。しかし、今の時代、息子や息子のお嫁さんに介護をしてもらいたいと望むケースは少ないため、気にする必要はありません。また、10年、20年後には本人の介護問題が浮上しますが、それもお金があれば解決できます。

子どもの問題はどうでしょうか。実は、年の差婚で子どもを望むケースはそう多くはありません。女性が産める年齢だとしても、子どもが高校、大学になったときに、男性は70代、80代になります。

自分の介護費用も考えなければならないのに、学費は十分に出るのかと考えるとなかなか難しい。それよりも「2人で仲良く生きていこうね」というカップルが多いようです。場合によっては死別したあと、女性はもう1回結婚できます。自分に残してくれた資産を糧に再婚しようと考えている女性もいるようです。

女性がこれだけ社会で活躍していても、少なくない数の日本女性の根っこには、「夫のほうが年収が高くないとダメ」という気持ちがしっかりと残っています。

次ページ「自分より年収が低くてもいい」という女性の職業
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